4月29日、Newsmaxはフレデリック H.フライツ(Frederick H. Fleitz)氏のオピニオン記事、
中国を競争相手ではなく敵として扱う
を報じました。
オピニオン記事執筆者:
フレデリック H.フライツ
Frederick H. Fleitz
元米国政府高官
国家安全保障会議(NSC)の参謀長および事務局長を歴任。
米国中央情報局(CIA)、国防情報局(DIA)、国務省(DOS)、および米国下院情報委員会のスタッフとともに、米国政府国家安全保障職に25年間勤務した。
セキュリティポリシーセンター(通称CSP:極右・抗イスラム教徒のワシントンD.C.ベースのシンクタンク)の社長兼CEO。
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中国を競争相手ではなく敵として扱う
バイデン大統領の長期間に渡り遅れていた議会合同会議への演説は、トランプ大統領の功績であるコロナウイルスワクチン開発と米国経済を復活させるための大幅な政府支出の拡大と増税を主張しましたが、保守派にとっては受け入れられるものではありませんでした。
演説は、1月6日の米国議会議事堂での暴動を「南北戦争以来の民主主義への最悪の攻撃」と言及するなど、意味をなさない主張ばかりでした。
この無謀な虚偽の声明は、パールハーバー、ヒトラーの宣戦布告、ソビエト冷戦による米国機関の破壊、そして私たちをいまだに破壊する恐れのある核兵器の蓄積、9/11テロ攻撃、そして過去1年間にアメリカの都市に数十億ドルの損害を与えた左翼暴徒による暴力的な抗議など、私たちの民主主義に対するはるかに深刻な攻撃については無視しています。
普通のアメリカ人は、バイデンの言う「世界の指導者がしばしば私に”アメリカが戻ってきたことはわかりますが、どれくらいの期間ですか?”」という話を笑いとばしました。 もちろん、これはバイデンの嘘です。外国の指導者が実際に民主主義の論点を口にしたことはないのです。
代わりに、世界は、混乱し優柔不断で、深刻さにかける外交政策の優先事項は気候変動であり、前任者の業績を取り消すことである大統領が率いる米国を見ています。
バイデンの演説には他にも多くの問題点がありました。最も厄介なのは、中国からの脅威を最小限に表現し、中国を「競争相手」と繰り返し言及したことでした。
フランスは米国の競争相手ですが、軍事同盟国になることができます。 中国は米国の敵です。 人はそれを敵または敵対国家と呼びます。 中国共産党の公式教義は、米国を戦略的敵として、必然的に破壊するものと見なしています。
元国家情報長官のジョン・ラトクリフは、2020年12月のウォールストリートジャーナルの論説で、「中国は今日のアメリカに最大の脅威をもたらし、第二次世界大戦以来、世界中の民主主義と自由に最大の脅威をもたらしている」と述べた事は正しかったのです。
ジョン・リー・ラトクリフ
第6代国家情報長官
中国は、その責任を負っている世界的大流行を悪用し、そのパンデミック外交とともに救援「援助」で世界中の国々を採用して、帝国主義の一帯一路構想の主導権を推進してきました。 中国は、世界市場で米国企業に取って代わり、世界トップの軍事国家になるために、米国の技術を盗み続けています。
中国は国内では外国の報道機関やウェブコンテンツを厳しく検閲していますが、他の国の中では無料の報道機関やウェブを積極的に利用して、中国政府の宣伝を幅広く行っています。 オーストラリアに対する新たな経済戦争のように、中国を批判しようとする人々や国を中国は罰しています。
2047年まで、旧英国植民地での「一国二制度」を認めるという香港中国の条約義務に対しての残忍な弾圧を行ってます。北京はまた、台湾への脅威と南シナ海への主張を強化しました。
中国は、米国との紛争の可能性に備えて、軍事兵器、ミサイル兵器、核兵器を拡大および改善し、米国の対等軍事ライバルとしての地位を確立することを目的とした、米国都市破壊を達成するための新しい兵器システムを発表しています。 米国戦略軍の司令官であるチャールズ・リチャード提督は、昨年9月、「私たちが直面している我が国への脅威を完全に意識していないのではないかと心配している。中国には今、 弾道ミサイル潜水艦から直接我が国の本土に脅威を与える能力があるのです。」と言いました。
チャールズ A.リチャード
第11代米国戦略軍司令官
これらは、単なる競争相手ではなく、筋金入りの米国の敵対者の行動です。
バイデンは、これらの脅威に穏やかで漠然とした対応を表明しました。 彼はまた、中国共産党の世界的支配という目標に対し、習近平氏は「世界で最も重要で結果を出す国になることに真剣に取り組んでいる」と驚くほど世間知らずな発言をしました。
新型コロナウイルスが世界的大流行になることを許した中国政府の過失と、中国でのウイルスの起源の完全かつ徹底的な調査を許可することを北京が拒否し続けたことについて何も言わなかったことも衝撃的でした。
北京は、パンデミックの最盛期に重要な医薬品を差し控えると脅迫したり、米国でのウイルスを非難するなど、このおぞましい行為について責任を果たしていません。
アメリカの競争相手は決してこのように行動することはありません。
バイデンは、「アメリカは人権と基本的自由へのコミットメントから離れることはない」と習近平の言ったと語り、また、「基本的人権が侵害された場合、責任あるアメリカ大統領は沈黙を守ることはできない」と、付け加えたと言いました。 しかし、バイデンは、トランプ政権が習近平がイスラム教徒のウイグル人に対して進行中の残虐行為をジェノサイドとして指定したことを彼の政権が受け入れたにもかかわらず、ジェノサイドについて言及しませんでした。
これについて明確にしましょう。バイデン大統領は昨夜の演説で、北京を怒らせないために、中国共産党のウイグル人に対する大量虐殺について沈黙することを選択したのです。
そして、中国からの増大する脅威を無視することにより、前任者のほとんど(トランプ大統領はそうではない)が犯した過ちを繰り返しています。 その間違いは、中国を貿易と外交の通常の国家として扱うことによって、米国ははぐれ者の全体主義者ではなく、世界の責任ある民主的なメンバーになることだと信じていることです。バイデンお抱えチームの特定のメンバーでさえそれを信じていません。
言葉は重要です。 中国を競争相手と呼ぶことにより、バイデンと彼の国家安全保障指導部は、英国、フランス、日本、メキシコなどの、国際法を遵守し、軍事、経済、諜報活動に積極的にグローバルな支配の目標を前進させることに関与してない、合法的な米国の競争相手の地位を中国に与えています。
さらに、中国の不正な行動に漠然と言及し、台湾、香港、およびコロナウイルスに対するその責任と搾取について言及しなかったことは、アメリカがそのような無謀な国際法違反の責任を負わせないというメッセージを中国の指導部に伝えたことになるでしょう。 バイデンは、この危険で攻撃的な行動を北京が強化することを継続させるでしょう。
バイデンの中国に対する弱さの影響は、アメリカの安全と自由に甚大な影響を及ぼします。 議会とすべてのアメリカ人は、バイデン政権が中国を通常の平和を愛する競争相手としての国家ではなく、敵対的で信頼できない米国の敵として中国への政策を採用することを要求するように声を上げる事が重要です。
以上。Newsmax公式記事より
WAU MEDIAコメント:
ここまで読み進めていただいた方の貴重なお時間に心から感謝いたします。
筆者はかつてアメリカに住んだことがあります。1990年代と2000年代のことです。当時のアメリカは高インフレ、財政赤字が拡大した「暗い」時代を脱却し、1990年代の後半にはついに財政黒字化を達成したこともあってか、総合的に「明るい」時代だったと思います。私が暮らしたのはニューヨークでしたが、街は想像以上に奇麗だし治安もとても良かったのが印象的でした。私はそのアメリカで様々なことを学び、人生で忘れがたい素晴らしい経験をたくさん積むことができました。
しかし、現在のアメリカは、特にバイデン政権に移行した2020年以降、アメリカはガラリとその様相が変ってしまったように思います。それまのでアメリカは、いわゆる「自由な国」を象徴するように、人々は明るくフレンドリーな印象が一般的だったと思いますが、そこから一機に暗く険悪な「全体主義」へと方向転換しつつあるのではないでしょうか。
いわゆるビッグテックによる「キャンセルカルチャー」を始め、BLMやAitifaなどの左翼団体による、暴力と破壊が今アメリカの多くの都市で頻発しています。警察組織の運営予算を削るための全国的なキャンペーンが広まったことで、警察が普通に犯罪を取り締まることすら批判の対象になってます。もうここまで来ると、まさに「無法地帯」と言っても過言ではないかもしれません。そんな変わり果てたアメリカですが、トランプ前大統領を中心に保守派を代表する人たちによって、以前のような明るい「アメリカ」を取り戻す動きが大きくなっている事も事実です。
今回のオピニオン記事の執筆者、フレデリックH.フライツ氏は生粋の保守派ですが、主張していることはいたってまともだと私は感じます。多分、多くの一般的なアメリカ人も賛同する人は少なくないと思いますが、皆さんはいかかでしょうか?ご意見などありましたら、コメント欄にお寄せ頂きましたら幸いです。