Photo 出典元ウラジーミル・プーチン(Sputnik/AP)
日本語解説:WAU
「プーチン大統領、米国が対話を長引かせる中、NATOに軍事的対応を警告」
記事によると、 ロシアのプーチン大統領は火曜日、米国とその同盟国に対し、NATOが東へ拡大しないことを保証するよう改めて要求し、「ヨーロッパで高まっている緊張」について欧米を非難したと報告しています。
プーチン大統領がロシア軍幹部との会合でこのような発言をしたのは、NATOがウクライナをはじめとする旧ソ連諸国の加盟を拒否し、中東欧への軍配備を縮小するよう求める安全保障文書の草案を提出した数日後のことと言います。
この要求は、ロシアと米国の安全保障条約案と、モスクワとNATOの安全保障協定に含まれており、ウクライナ周辺でのロシア軍の増強が侵攻の可能性を煽り、緊張が高まる中で起草されたものとなります。
ロシアは隣国を攻撃する計画があることを否定していますが、条件としてNATOの拡大と兵器配備を排除する法的な保証を求めるものです。
プーチン大統領は火曜日、米国とNATOのミサイルシステムがウクライナに出現した場合、それらのミサイルがモスクワに到達するのに数分しかかからないだろうと述べ、
「我々にとって、これは最も深刻な挑戦であり、我々の安全保障に対する挑戦である。だからこそ、クレムリンは西側から長期的で法的拘束力のある保証を必要としているのであって、モスクワが信頼できない『口先だけの保証、言葉、約束』とは違うのだ」
と語ったと言います。
米国のアントニー・ブリンケン国務長官は、ワシントンは欧州の同盟国と協力して、彼が「ロシアの侵略」と呼ぶものに外交で対処していると述べるも、ジョー・バイデン大統領は、プーチンが求めるような保証に反対しているとして、次のように語っています。
「それは、ある国が他国の国境を強制的に変更する権利はなく、ある国が他国の政策に口を出したり、他国に誰と付き合えばよいかを指示する権利もないという原則である。一国が影響力を行使する権利はありません。そのような概念は、歴史のゴミ箱に追いやられるべきです」
アントニー・ブリンケン国務長官
写真は、ラトビアで開催されたNATO外相会議の後、記者会見に臨む米国のアントニー・ブリンケン国務長官。ローマン・コクサロフ/AP
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プーチン大統領は、1990年代後半からNATOが東に向かって拡大していることを指摘し、
「現在起こっていること、ヨーロッパで高まっている緊張は、彼ら(米国とNATO)が一歩一歩進めてきたせいです。ロシアはすべての段階で対応せざるを得なかった。状況は悪化し、悪化し続けました。そして今日、我々は何とかして解決せざるを得ない状況にある」
と述べています。
ロシアは、2014年にウクライナからクリミア半島を併合した後、ウクライナ東部で分離独立派の反乱を支援し、現在も同地を支配していることから、米国との関係は冷戦後の最低水準にまで落ち込んでいました。
ここ数週間、モスクワがウクライナの国境付近に数万人の軍隊を集結させたことで、緊張感が再燃した状況にあります。
プーチン大統領は、NATOがウクライナに進出したり、軍を配備したりしないという保証を欧米に求めており、2週間前に行われたジョー・バイデン米大統領とのビデオ通話でもこの問題を取り上げています。
ロシアのショイグ国防相は火曜日、
「米国の民間軍事会社の120人以上のスタッフが現在、戦争で荒廃したウクライナ東部の2つの村で活動しており、ウクライナ軍を訓練し、住宅の建物やさまざまな施設に射撃位置を設置している」
と告発しています。
ショイグ国防相
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プーチン大統領は、
「米国は我々には退く選択がないことを理解すべきだ」
と述べ、
「彼らが今、ウクライナの領土でやろうとしていること、計画していることは、何千キロも離れたところではなく、私たちの家の玄関先で起きていることなのだ」
と主張しています。
また、プーチン大統領は、
「モスクワが建設的で意味のある話し合いを、最終結果が見える形で、しかも一定の期間内に行い、すべての人に平等な安全を確保することを望んでいる。武力衝突や流血は我々の選択ではないし、そのような展開も望んでいない。我々は政治的、外交的な手段で問題を解決したい」
語っています。
米国の欧州担当外交官のトップであるカレン・ドンフリード国務次官補は、火曜日のブリーフィングで、
「ワシントンはロシアがテーブルの上に置いたこれらの提案を議論する用意がある。我々が取り組む準備ができているものもあるし、議論することにメリットがあると信じている。これらの文書の中には、ロシア側が受け入れられないと分かっているものもある」
と、キエフ、モスクワ、ブリュッセルを訪問した後、記者団に対し述べています。
ドンフリード氏によると、米露二国間協議は1月中に行われる可能性が高く、NATO・ロシア評議会や欧州安全保障協力機構での協議も1月中に動きがありそうだと言います。
NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は25日、NATO・ロシア理事会の新たな会合を新年のできるだけ早い時期に招集する意向を示しています。
ストルテンベルグ事務総長は、
「ロシアとのいかなる対話も、欧州の安全保障の中核となる原則に基づき、ロシアの行動に対するNATOの懸念に対処する必要がある」
と述べています。
ストルテンベルグ事務総長
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火曜日の夜、プーチン大統領は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領およびドイツのオラフ・ショルツ首相との電話会談で、ロシアの提案について話し合っています。
クレムリンによると、プーチン大統領はマクロン大統領に、「この問題に関するモスクワの外交努力」を伝え、ショルツ首相には先週提出された露米安全保障条約とロシアとNATOの安全保障協定の草案について「詳細なコメント」を伝えたと言います。
ショルツ氏との会談では、「モスクワが提起したすべての問題について、真剣な交渉が行われることへの希望が表明された」とプーチン氏は述べています。
ウクライナ東部の紛争についても、プーチン大統領は、
「ウクライナがミンスク合意(2015年にフランスとドイツが仲介し、同地域での大規模な敵対行為を終結させた和平合意)の履行に消極的である」
と主張しています。
しかし、14,000人以上の死者を出したウクライナ紛争の政治的解決に向けた努力は失敗に終わり、緊迫した接触線上で散発的な小競り合いが続いている現状があることを報告しています。
以上。
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翻訳者からのコメント:
ここまで読み進めていただいた貴重なお時間ありがとうございます。記事が面白いと思っていただきましたら、是非、SNSにシェアしてくださるとありがたいです!