写真は、ホワイトハウスの外で撮影されたジョー・バイデン米大統領。© AP Photo / Manuel Balce Ceneta
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ロシア時間5月22日08:00 RIAノーボスチ
by ドミトリー・コシレフ
Dmitry Kosyrev
「RIAノーボスチ・ロシア国際通信について」
RIAノーボスチ・ロシア国際通信は TASS や Interfax と並んで、ロシアで最も重要な報道機関の一つと言われています。 2013年12月9日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏の『国家マスメディアの効果を改善するためのいくつかの措置について』という法令により、RIA Novostiメディアグループは正式に解散しましたが、代わりにロシヤ・セゴドニャ国際メディアグループ(Rossiya Segodnya)が設立され、引き続きRIAノーボスチのブランドを使用することになりました。
それ以来、RIAノーボスチは、ロシアと海外のあらゆる主要な出来事について、正確で最新の情報を視聴者に提供し続けていると言います(詳細:ロシア語」
注:現在、世界中でロシアとウクライナの紛争が注目されていますが、我々が日本で入手する情報のほとんどは、欧米を中心にしたNATO擁護側から発信されているもの に限られていると言ってよいでしょう。 中にはフェイクニュースも少なくありません
しかし、どのような紛争も、当事者両方の言い分を聞いて、読者が客観的に自身で冷静に分析し判断する方が賢明だと思います。 特に我が国の外交に関わる問題は、状況を誤ると取り返しの付かない損害をもたらすことになりかねません。
従って、この一連のウクライナ紛争のニュースに関しては、敢えて、ロシアやロシア制裁決議に中立を表明する国々のニュースソースを全面的に解説しています。
「バイデン氏、アジアのパートナーを自滅クラブに招待」
日本語解説:WAU
ジョー・バイデン氏のアジア歴訪は、一見すると退屈に見える。
ソウル(今回の旅の出発点)では、
「両国間の同盟は相互の犠牲の上に成り立っている。今日、我々の協力は世界全体にとっても必要なことだ」
と、いつもの聞き慣れた発言がなされた。
東京では、特にQUAD(日米豪印)の会議が予定されていたため、ほぼ同じ内容だった。
要するに、「東部戦線」におけるアメリカのパートナーや同盟国について、中国やロシアとの対立の中で誰がどのような犠牲を払う用意があるのか、ごく日常的に検討されている、「経済的自殺クラブ」に参加するようにという、一種の慎重な誘いの念押しである。
ヨーロッパ人は、ロシアに対する制裁と反制裁の戦いに満足していないはずだが、一方で中国に対しても同様のことをしたい誘惑があるのだろう。
アジア諸国もまた、中国がヨーロッパ諸国よりも重要であることを十分認識している。
アジアの巨人がいなければ、彼らの経済は非常に青ざめたものになるだろう。
そう、ここに出てくる言葉はよくある使い古された陳腐なものだ。
しかし、その裏に興味深いものがたくさん見えてくる。
例えば、バイデンのアジア訪問の前夜に行われたジーナ・ライモンド米商務長官による、次のような激励の言葉である
「我々(西側)が勝っているという事実について、良い知らせがある。中国はウクライナの特殊作戦に協力せず、アメリカの対ロシア制裁にさえ従っている。すなわち、3月には、ロシアへの通信機器の出荷が98%、スマートフォンが3分の2に減少した」
などだ。
これは、「中国が実質的に米国の制裁に加わった」というプロパガンダストーリーで、2014年に初めて打ち出され、それ以来、真実味が増していない。
かつてロシア内で欧米の影響力行使者とそれに騙された人たちが宣伝していただけで、今は米国政府の大臣が同じことをやっているのだ。
写真は、2022年2月1日(火)、米ワシントンDCで開催された上院歳出小委員会の公聴会で発言するジーナ・ライモンド米商務長官。Sarah Silbiger/The New York Times
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しかし一方で、中国だけでなくインドにもロシアとの提携を本当に捨てさせようとする絶え間ない試みは、バイデンの現在のアジア歴訪の目標の本質的な部分であると言える。
■ここに明らかな罠がある
もし中国がアメリカを怖がって、石油やガスも含めてロシアをあきらめたら、中国は世界経済の中で目立って悪くなり、その影響力は低下する。
また、北京が「制裁に応じる」という話は、少なくともアジアと世界に、この国の圧力に対する抵抗力について疑念を抱かせる。
そして、もし拒否して譲歩しなければ、これら米国の同盟国とインドが圧力をかけてくることになる。
ここで北京とそのパートナーによる警告のジェスチャーは非常に興味深い。
バイデンの渡航直前に中国はBRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の外相によるビデオ会議を開催し、そこでも一般的な言葉が交わされたが、アメリカを喜ばせるような言葉ではなかった。
実は、BRICSがその参加者を広げ、惹きつける時が来たという一般的な考えで、アルゼンチン、エジプト、インドネシア、カザフスタン、ナイジェリア、サウジアラビア、セネガル、タイ、UAEの閣僚によるセッションが別途行われたのである。
つまり、バイデンの「自殺クラブ」への予防的対応として、程度の差こそあれ、パートナーたちの隊列を見直すのと同じようなものだったのだ。
しかし、我々が直面しているのは、アメリカがモスクワと北京に挑戦し、同時に同盟国に頼って我々を分裂させようというような必死の試みではなく、もっと深刻なものである。
■米国の新しい世界戦略、すなわち前例のない敵に立ち向かう戦略の実行の始まりである
さて、2019年秋に米国の2人の野党(当時)の著者によって書かれたこのテーマに関する記事が、今、再びあらゆるウェブサイトに掲載されている。
それが第二のお披露目を見ているのは、著者の一人ジェイク・サリバンがバイデンの国家安全保障顧問になり、もう一人のカート・キャンベルが同じバイデンのアジア政策全般の調整役になったためである。
2019年のこの二人の発言に、
「中国とは何十年も、考えられるあらゆる領域で対立する(ここには、ソ連との冷戦がより単純で原始的に思えるほどの対立が存在すると言う意味)」
があるが、中国が突然崩壊することを望むことはできない。
アメリカは1940年代以来、このような事態に遭遇したことがないのだ。
特に、米国の同盟国(バイデン氏が今回向かった先)を含む世界の3分の2の国にとって、第一の貿易相手国となっている中国との競争と共存をいかに両立させるかを一歩一歩学んでいかなければならないだろう。
そして、これらの同盟国はみな、どちらか一方の競合する大国に対する動きには非常に慎重であるだろう。
2019年当時の議論の一つで、これらの著者は次のように指摘している。
「2つの経済の離婚と、2つの孤立したシステムの構築はありえない」
中国を叱咤激励するだけでは意味がなく、ある面では中国を凌駕する独自のシステムを構築しなければならない。
つまり、同盟国とともに、中国が守れないような貿易や国際生活のルールを作るようにしなければならないのだ。
そして、このプログラムを実現するために、まず、米国は同盟国に「血と汗と涙」だけでなく、経済的に何か良いもの、つまり、迷惑をかけたことに対する補償を提供しようという試みが必要なのだ。
今回のバイデンの出張で最も光っていたのは、新しい「インド太平洋経済構想(IPEF)」の発表であったと思われる。
「ルールは我々のものでなければならない(=アメリカ)」という同じ原則に従って、急遽作られたものだ。
これに台湾も入れて、北京がどれだけ怒るかを見ることができる。
その結果、この地域のいくつかの国は、慎重にこのようなプロジェクトに参加することになるのだが、それは一つの方式に集約される。
関税障壁のない開かれた市場を提供し、アメリカのルールを遵守してもらうというものだ。
このようなプロジェクトの1つである中国のものはうまくいっているし、別のものは日本のTPPようなものだ(米国の加盟は、トランプ大統領の下で葬り去られた)。
そして、それは全てではなく、
「相互犠牲のパートナーシップ」
というアメリカの原則と、
「すべての人に開かれた世界、政治的制約のない取引」
という中国の原則との衝突は別として、全体として人工的で混乱した構図が浮かび上がってくるのだ。
以上。
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翻訳者からのコメント:
ここまで読み進めていただいた貴重なお時間ありがとうございます。記事が面白いと思っていただきましたら、是非、SNSにシェアお願いします。