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「ヴァンス副大統領ミュンヘン演説の要点:言論の自由、NATO加盟国自国防衛の役割、移民危機」

写真は、2025年2月14日、ドイツ・ミュンヘンで開催された第61回ミュンヘン安全保障会議で演説するアメリカ副大統領のJ.D.ヴァンス© Sean Gallup/Getty Images

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日本時間02月15日20:28 ロシア・トゥデイ(RT)

「ヴァンス副大統領ミュンヘン演説の要点:言論の自由、NATO加盟国自国防衛の役割、移民危機」

アメリカ副大統領は、年次安全保障会議で指導者や専門家たちに演説し、国外よりも国内の問題に焦点を当てるよう呼びかけた。

アメリカ副大統領のJ.D.ヴァンスは金曜日、ミュンヘン安全保障会議で歴史的な演説を行い、ドナルド・トランプ大統領はこれを「素晴らしい」と称賛した。

ヴァンス氏は、西欧の民主主義が直面する最も差し迫った問題について言及した。

以下は、同氏の講演の主な要点である。

■民主主義の後退

ヴァンス氏は、欧州における民主的価値の浸食に対する懸念を表明し、選挙が無効にされたり、脅威にさらされたりした事例を強調し、外国の干渉があったとされる疑惑により、11月に第1回目の結果が覆されたルーマニアの大統領選挙を挙げたが、12月の調査では、独立候補者であるカリン・ジョルジェスク氏を支援するソーシャルメディアキャンペーンにロシアが関与した形跡は見つからなかった。

代わりに、調査により、同氏の選挙運動は親西欧派の国民自由党(PNL)から資金提供を受けていたことが判明し、それまでの主張と矛盾する結果となった。メディアのスヌープは、ルーマニアの憲法裁判所が最終的に選挙を無効にしたと報告した。

ヴァンス氏は、

「欧州の裁判所が選挙を無効にし、高官が選挙の無効化をほのめかす…。我々は、自分たちが適切な高い基準を維持しているかどうかを問うべきだ」

と問いかけ、ヨーロッパの指導者たちに民主主義の原則を支持するようその必要性を訴えた。

■言論の自由と検閲

ヴァンス氏はスピーチの大部分をヨーロッパで高まりつつある検閲への警告に費やし、政府がソーシャルメディアを閉鎖し、政治的反対意見を封じることを認めるEUの規制を批判し、

「私はブリュッセルに注目している。EUの委員たちが市民に対して、ソーシャルメディアを停止するつもりだと警告しているのだ。引用すると、憎悪に満ちたコンテンツと判断したものを発見した瞬間だ」

と彼は述べた。

スウェーデンやイギリスで、信仰や政治的信条を平和的に表明したために起訴された例を挙げ、中絶クリニックの近くで黙祷したために罰金を科された退役軍人のアダム・スミス・コナー氏についても、

「イギリスやヨーロッパでは、言論の自由が後退しているのではないかと懸念している」

とヴァンス氏は警告した。

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ヴァンス氏はアメリカの政策と比較しながら、バイデン政権がソーシャルメディア企業に圧力をかけてコンテンツを検閲していると非難し、トランプ大統領のリーダーシップと対比して次のように述べた。

「私たちはあなたの意見に反対するかもしれませんが、公共の場で意見を述べるあなたの権利を守るために戦います」

ヨーロッパの最大の課題はロシアや中国ではなく、アメリカと共有する基本的な民主主義的価値観からの後退である「内からの脅威」であると主張し、

「私たちは民主主義の価値について語るだけでなく、それを実践しなければなりません」

と述べた。

■欧州の安全保障と負担の分担

ヴァンス氏は、NATOの欧州加盟国が自国の防衛により大きな責任を負うべきであるというトランプ政権の立場を繰り返した。

「トランプ大統領は、欧州の友人たちがこの大陸の将来においてより大きな役割を果たさなければならないことを十分に明確にしています」

と彼は述べ、NATOの同盟国による防衛費の増額の必要性を強調したが、彼はまた、ヨーロッパの指導者たちの戦略的優先事項についても疑問を呈し次のように述べた。

「私は、あなたがたが自分たちを守るために何を必要としているのかについてはよく耳にしていますが、私にとって明確でないのは、あなたがたが具体的に何のために自分たちを守っているのかということです」

■移民危機について

ヴァンス氏は大量移民が欧州諸国に与える深刻な影響を強調した。同氏は、有権者の明確な同意なしに移民の急増が社会を再形成していると強調し、

「何百万人もの審査を受けていない移民の流入を認めることを支持する有権者はいない」

と主張した。

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ヴァンス氏は、一部のヨーロッパ諸国では人口の20%近くが外国からの移住者で占められており、前例のない人口動態の変化が起きていると指摘した。彼は、木曜日にミュンヘンで起きた、警察に知られた亡命希望者が群衆に車を突っ込ませた事件を引き合いに出し、この急増がセキュリティリスクを高めていると主張した。

■民主的統治と人々の役割

ヴァンス氏は、人々の声を聞くことの必要性を強調し、指導者たちは反対意見を操作したり抑圧しようとするのではなく、民主的プロセスを尊重しなければならないと強調した。

「民主主義は、国民の声が重要であるという神聖な原則に基づいている。ファイアウォールを設ける余地はない。原則を守るか、守らないかだ。有権者を恐れて政治を行えば、アメリカはあなたのために何もできない」

同氏は、有権者の懸念を無視することの危険性を警告し、国民に耳を傾ける政府がなければ真の安全保障は存在し得ないと主張した。

■欧州の指導者や専門家からは賛否両論

ドナルド・トランプ大統領はヴァンス氏の発言を称賛し、演説を「素晴らしい」と評し、欧州における言論の自由の浸食に対する懸念に同意した。しかし、欧州の一部の政府高官は演説にそれほど好意的ではなかった。

ドイツのボリス・ピストリウス国防相は、アメリカ副大統領の主張を強く否定し、「受け入れられない」と述べ、権威主義体制からの攻撃に例えた。同様に、EUの対外政策責任者であるカーヤ・カルラス氏は、この演説がアメリカがヨーロッパに対して「けんかを売ろうとしている」というシグナルであることに懸念を示した。

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大西洋間な緊張の高まりに対するカルラス氏の懸念は、一部のロシア政府高官によっても繰り返された。連邦会議のメンバーであるアレクセイ・プシュコフ氏は、トランプ=ヴァンスのドクトリンはリベラルなヨーロッパの価値観と根本的に衝突し、トランプ政権下ではアメリカとヨーロッパの関係に必然的に緊張が生じると述べた。

一方、ロシアの上院議員アレクサンダー・シェンデリュク=ジドコフ氏は、RIAノーボスチとのインタビューで、ヴァンス氏の演説はヨーロッパのロシア嫌い派にとって「冷水を浴びせられた」ようなものだと述べた。

以上。

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