Extra ニュース

RIAノーボスチ・ロシア国際通信「ロシア決戦は春に決定」

写真は、クリミアのオプーク訓練場で行われたロシア陸軍部隊と黒海艦隊の海兵隊の二国間演習で、装備のない海岸に海兵隊が上陸する訓練を行う軍人たち © RIA Novosti / Konstantin Mikhalchevsk

Photo 出典元

日本時間02月28日16:07 RIAノーボスチ
by ドミトリー・バヴィリン
Dmitry Bavyrin

注:現在、世界中でロシアとウクライナの紛争が注目されていますが、我々が日本で入手する情報のほとんどは、欧米を中心にしたウクライナ擁護側から発信されているものに限られていると言ってよいでしょう。 中にはフェイクニュースも少なくありません

しかし、どのような紛争も、当事者両方の言い分を聞いて、彼らが何を考え、どのような価値観で行動しているのか、読者が客観的に自身で冷静に分析し判断する事が賢明だと思います。 特に我が国の外交に関わる問題は、状況を誤ると取り返しの付かない損害をもたらすことになりかねません。

従って、ウクライナ紛争が続いている間は、敢えて、ロシアやロシア制裁決議に中立を表明する国々のニュースや論説などを全面的に紹介します。

「ロシア決戦は春に決定」

日本語:WAU

ウクライナ軍によるクリミア侵攻に関するゼレンスキー大統領の発言は、ロシアでは長い間、

「やってみればいい、この道化師が」

という答えが用意されていた。

しかし、残念ながら、その答えはもはやそぐわない。

なぜなら、「道化師」は必然的に実行するからだ。

「ウクライナ軍による大規模な反抗」はこの春に予定されており、ほとんど誰もが想定しているように、クリミアに向けて行われる。

この決定はゼレンスキーというより、現在の紛争におけるアメリカとNATOの明確な賭けである。

一ヶ月前までは、このことは半分ほのめかすように話されていたが、今では直接的に話されている。

なぜなら、攻撃の準備を隠すのは単に愚かだからだ。

反攻の目的は、ロシア軍に局地的な軍事的敗北を与え、それによって、ウクライナへの数十億ドルの支援が成果を上げていることを懐疑派に証明することである。

その過程でウクライナがクリミアの占領に成功すれば、西側諸国は反対しないことも、公然と表明されている。

全体として、これは道化ではなく、もっと悪いことである。

ロシアの安全と領土保全に対する、NATOの高性能兵器を使った直接的な脅威なのだ。

この理由から、すでに冗談は終わっている。

対応の方策と実践は、ロシア軍司令部が決定する。

しかし今、すでにウクライナおよびその同盟国との平和的対話は不可能であり、そのような対話の考えそのものが幼稚であると想定する必要がある。

尚、ウクライナと西側の両方が拒否したが、中国の平和維持構想には敬意を表する。

ロシア領土への攻撃という賭けが実行されるまで、これらの人々は休むことなく、また脅しや説得も彼らにとっては何の効果もないだろう。

彼らは今、負債を抱えたギャンブラーのように、この賭けにすべての望みを託している。

しかし、責任ある政治はカジノとは異なる。

なぜなら、関係者全員が、

「もし失敗したら?」

という問いに、自分自身で正直な答えを出す必要があるからだ。

このゲームにウクライナが負けた場合、ウクライナ軍が押し戻され、ウクライナ政府がさらなる領土の支配権を失った場合はどうなるのか。

彼らは結局、西側とそこに賭けをしているのだ。

というのも、何百万人もの「もしも」の質問者たちが、多少なりとも理解できるような答えを得たのはつい先日のことだからだ。

丸一年前、彼らは、

「ウクライナを必要なだけ支援する」

という言葉を繰り返していた。

たとえそれが懐疑論者だけでなく(アングロサクソンもそれを知っているので、決して絶対とは言わない)、奇想天外に思えたとしてもだ。

興味深いことに、この発言をしたのは権力者でも政治家でもなく、ドイツで最も読まれているタブロイド紙「ビルト」であった。

ドイツとアメリカの政府筋に言及し、

「戦争が終わるまでウクライナを支援する」

という約束はブラフであり見せかけであると言うのだ。

現実に、ゼレンスキーは秋までの最後通告を受けた。

ウクライナ軍の攻勢が失敗すれば、ウクライナは武器供給などの援助をテコにロシアと交渉せざるを得なくなる。

ビルトは「大衆向け」の出版物だが、情報通で純粋に人気がある。

信じられないかもしれないが、論理的で常識的に見えるからこそ、信じることもできる。

もし、過去10年間のウクライナの政治過程が論理的で常識的であったなら、ロシアによる特殊作戦は必要なかっただろう。

この出版物の主な目的は、恐怖が終わらないことによる、不安なドイツ国民を安心させることにあるようだ。

結局のところ、現在の紛争から失うものが他の誰よりも多いのはドイツ国民であり(ウクライナを除いて)、

「ロシアの軍事的敗北のみがドイツ国民を満足させる」

といった方針は、その歴史的トラウマに根ざすものであることは必然なのだ。

現実には、これまでのところ(ビルトは別として)、来るウクライナ軍の反攻が本当に「最後の切り札」であることを示唆するものはない。

次のラウンド、新たなチャンス、NATOの倉庫への軍備の集結は、現在すでに推測されているが、戦闘航空機(まるで飛行機で成功するかのように)とさらに長距離ミサイルに重点が置かれることは間違いないだろう。

説得のために、ブチャのような陰惨な挑発が必要なら、それを行うだろう。

ウクライナ政権が核爆弾を手にすれば、それも使用するだろう。

西側諸国は、極端な展開を防ぐ力があると信じているのだろう。

しかし、世界は、アメリカに逆らった多くのゴーレムを記憶している。

アメリカが関与した最近の戦争だけを考えても、アフガニスタンのムジャヒディーン、シリアのイスラム主義者、そしてアメリカが第一段階で支援したサダム・フセイン自身、イランへの侵略戦争の際もそうだ。

全体として、将来的には多くのことが可能であり、その中には非常に恐ろしいものも含まれている。

ビルトは、惰性の力(ゼレンスキーが交渉に入るということは、彼によって何万人もの命と何万平方キロメートルの領土が無駄にされたということであり、その後一人が撃たれる)と西側エリートにとっての優先事項としてのさらなるロシア封じ込めの重要性の両方を疑いなく軽視している。

ドイツをはじめとするヨーロッパ諸国の平和を愛する部分が望むところではあるが、このような場合の戦術的敗北は、

「まあ、うまくいかなかったから、自分の道を行く」

的な場面は訪れない。

しかし、一応出版物の根っこの部分は、誰にも矛先が向かないところにある。

「ウクライナ軍による春の反撃」

は、長期的な結果をもたらす今年の主な出来事の一つである。

ロシアの野心に対する衝突であり、真に意味のあるラウンドであり、その喪失はロシアに大きな犠牲を強いることになる。

もし成功しても、ドイツ人になりきって希望を抱いてはいけない。

それは、旧ウクライナ領における政治的・軍事的現実が根本的に異なり、それを否定することは不可能になるだけだ(例えば、ウクライナ政権が海にアクセスできなくなるなど)。

しかし、それでも「以前のように」にはいかないだろう。

朝鮮戦争や西ベルリン周辺の紛争が「以前のように」いかったのと同じように。

冷戦は「熱い」戦争よりも長く続いただけでなく、文字通り「熱い」戦争で構成されていたのである。

同盟国とは、古くからある、試行錯誤を重ねた陸軍や海軍のことである。

普段は事情通の立場、つまり大きな政治の背景のような存在である彼らが、今では大きな政治の主人となっている。

交渉担当者、外交官、法律の専門家、そして紛争の平和的解決を望むすべての人々が、いつ汎欧州的な危機を解決する作業に従事できるかは、彼らの強さと弱さによってのみ決まるのである。

遅かれ早かれ、それは彼らのもとにやってくるだろう。

そして、特にウクライナは、国際安全保障システムの前に影響を受けることになるのである。

世界的な紛争の終結は、新たな状況下での後者の再構築と関連付けられるべきであり、ゼレンスキーが「クリミア進攻」の後に新たな戦車を送り込まれるかどうかとは関係ないのである。

そのような「行軍」の不名誉な終結こそが、2023年のロシアの第一目標であり、ウクライナ大統領の脅迫に対する唯一受け入れられる対応なのである。

そのような展開が課せられたのであって、それに従うわけではないが、元に戻すことはできない。

となると、まだまだ長く困難な道のりが待っている。

しかし、今こそ、国家史の教科書に新しい章を開く分岐点に到達したのである。

もちろん、それはゼレンスキーが書いたものではないだろうし、ロシア人たちもそれを知っている。

しかし、その証拠は、もはやブログやメディア、公式の論評、交渉、そして一般的に言葉の領域の議論では見つけることができないのである。

紛争の平和的解決のための戦いは、すでに失われているのだ。

ロシアの戦いは春に設定されているのだ。

以上。

「RIAノーボスチ・ロシア国際通信について」

RIAノーボスチ・ロシア国際通信は TASS や Interfax と並んで、ロシアで最も重要な報道機関の一つと言われています。 2013年12月9日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏の『国家マスメディアの効果を改善するためのいくつかの措置について』という法令により、RIA Novostiメディアグループは正式に解散しましたが、代わりにロシヤ・セゴドニャ国際メディアグループ(Rossiya Segodnya)が設立され、引き続きRIAノーボスチのブランドを使用することになりました。

それ以来、RIAノーボスチは、ロシアと海外のあらゆる主要な出来事について、正確で最新の情報を視聴者に提供し続けていると言います(詳細:ロシア語」

WAUメディアからのコメント:ここまで読み進めていただいた貴重なお時間ありがとうございます。記事へのご意見ご感想お待ちしてます。コメントは↓

日本語訳について

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です