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「米国とフランスはロシアに大陸を奪われ、欧米はパニックに陥っている」

写真は、アラブ連盟本部でアラブ連盟加盟国のポスト大使と会談するセルゲイ・ラヴロフ外相(演台の後ろ)@第三者提供資料

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ロシア時間7月30日08:03 RIAノーボスチ
by レナト・アブドゥリン
Renat Abdullin

「RIAノーボスチ・ロシア国際通信について」

RIAノーボスチ・ロシア国際通信は TASS や Interfax と並んで、ロシアで最も重要な報道機関の一つと言われています。 2013年12月9日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏の『国家マスメディアの効果を改善するためのいくつかの措置について』という法令により、RIA Novostiメディアグループは正式に解散しましたが、代わりにロシヤ・セゴドニャ国際メディアグループ(Rossiya Segodnya)が設立され、引き続きRIAノーボスチのブランドを使用することになりました。

それ以来、RIAノーボスチは、ロシアと海外のあらゆる主要な出来事について、正確で最新の情報を視聴者に提供し続けていると言います(詳細:ロシア語」

注:現在、世界中でロシアとウクライナの紛争が注目されていますが、我々が日本で入手する情報のほとんどは、欧米を中心にしたNATO擁護側から発信されているもの に限られていると言ってよいでしょう。 中にはフェイクニュースも少なくありません

しかし、どのような紛争も、当事者両方の言い分を聞いて、読者が客観的に自身で冷静に分析し判断する方が賢明だと思います。 特に我が国の外交に関わる問題は、状況を誤ると取り返しの付かない損害をもたらすことになりかねません。

従って、この一連のウクライナ紛争のニュースに関しては、敢えて、ロシアやロシア制裁決議に中立を表明する国々のニュースソースを全面的に解説しています。

「米国とフランスはロシアに大陸を奪われ、欧米はパニックに陥っている」

日本語解説:WAU

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相の5日間のアフリカ諸国訪問は、ロシアの世界的孤立という俗説を否定するものであった。

欧米はこの地域のアジェンダを早急に奪還しようと焦っている。

RIAノーボスチの記事が、アフリカにおけるロシアの活動に対して西側がどのように反応しているかについて論じている。

◆友情の証

プーチンのイラン訪問に比べ、ジョー・バイデンのサウジアラビア訪問の失敗が海外のマスコミに注目され始めるやいなや、ロシア外交が再び主導権を握った。

ラヴロフ外相のアフリカ歴訪は、この地域の「友好の証」を求めることが目的であったと英紙フィナンシャル・タイムズが指摘している。

また、同紙は、同大臣の歓迎ぶりについて、

「モスクワのトップ外交官が、依然として大陸の指導者たちの間で歓迎されていることを示した」

と認めている。

シンクタンク「国際危機グループ」(悪名高いジョージ・ソロスが設立)のコンフォート・エロー代表は、

ロシアがこの地域諸国との同盟関係を構築し、西側がこのゲームに勝っていないことを示す意味で、

「欧米にとってのならず者国家の区別は、世界的に考慮されていない」

と指摘した。

これは、グローバルな立場の代弁者として自分たちを誇示しようとする米国とEUにとって、最初の目覚めではない。

3月の国連総会で、ロシアのウクライナでの行動を非難する決議が行われたとき、アフリカの17カ国が棄権し、8カ国の代表は欠席した。

現在、反ロシア文書に賛成したコンゴ民主共和国でさえも、中立を保とうとしている。

コンゴのフェリックス・ティセケディ大統領は、

「この2カ国(ロシアとウクライナ)はコンゴ民主共和国とつながっているので、どちらかの味方をするつもりはない。起きていることを見るのは非常に悲しいことだ」

と述べた。

もちろん、これはアフリカがロシアの政策を事実上支持しているのだと、誰が見てもわかることであった。

コンフォート・エロー氏

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◆孤立を打ち破る

最初の訪問地であるエジプトのカイロでは、ラブロフ外相のツアーの方針はすでに決まっていた。

ロシアの伝統的なパートナーであるカイロは、最近BRICSへの加盟を希望しており、外相への暖かい歓迎が期待された。

ラブロフ氏は、ロシアを孤立させようとする西側諸国の行動について、冗談を言う機会を逃さなかった。

「みんな、僕の写真を撮っちゃいけないって聞いたよ」

と、集まった数十人のジャーナリストに向かって言ったと言う。

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は自身のテレグラム・チャンネルに、

「(欧米は)セルゲイ・ラブロフの孤立を図り、勝利の女神の登場を待っていたのだろうが、女神は来なかった」

と書き込んでいる。

海外の専門家は、ラブロフ外相の今回の視察の目的に、孤立の解消だけでなく、食糧危機の議論も挙げている。

アフリカは、このような問題に対して最も敏感な地域だ。

「欧米諸国は、穀物などの供給問題を口実に、ロシアに対して新たな非難を浴びせようとしているが、ロシアは、食糧危機は自分たちのせいではない、とアフリカ諸国を説得することに成功したようだ」

と報道している。

ラブロフ氏はウガンダを訪問した際、このテーマについて個別に次のように話をしたと言う。

「ウクライナ情勢が食糧安全保障に関係するのは、西側諸国がロシア連邦に課している違法な攻撃的制裁を通じてのみです。これらの制裁は、ロシアの穀物を消費者に継続的に供給するために維持・確保が必要な、金融と輸送の両方の物流チェーン全体に影響します」

ラブロフ氏によれば、ロシアとウガンダの協力は、西側の「気まぐれ」に左右されることはない。

ロシアとアフリカ諸国との交流は、すでにしっかりとした基盤がある。

外相の渡航前夜には、第2回ロシア・アフリカ首脳会議が来年開催されるとの発表があった。

その第1回目は2019年に開催され、ロシアのアフリカ大陸への「帰還」の重要なマイルストーンとなった。

しかし、このアフリカで自らの立場を強化しようとしているのは、ロシアだけではない。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ロシアのアフリカでの強化に懸念を示し、突然ラブロフと同時にミニツアーに出かけた。


写真は、マクロン仏大統領、ワガドゥグ市の大学を訪問© AP Photo / Ahmed Yempabou Ouoba

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フランスの指導者は、ロシアと同じようなことを考えていた。

まず、マクロンはアフリカ諸国に対して、ロシアではなく欧米と協力する必要性を説得しようとした。

2つ目は、食料を供給し、現地の農業を活性化させることで、アフリカの人々の食糧問題を解決することを目的とする「食料と農業の持続可能性のためのミッション」構想を推進した。

このプログラムは昨年開始されたが、今のところ目に見える成果を報告した人はいない。

フランスのマスコミは、マクロンのレトリックの特徴的な変化に注目している。

2年前、マクロン大統領は、7期目の政権で地元の反体制派を残酷に弾圧しているカメルーンポール・ビヤ大統領に圧力をかけると脅していたが、現在、マクロン大統領の側近によれば、二国間関係の話し合いは「メディアの仕掛け」なしで行われていると言う。

ホワイトハウスも蠢いている。

米国当局は、ロシアとの関係が悪化している状況の中で、アフリカ諸国を自国の周りに固めるという論理的な決断をした2014年のバラク・オバマ大統領の時代からの取り組みを復活させようとしている。

オバマ大統領は、当時、世界の二極化が進む中で、アフリカ大陸がロシアとの対立の舞台となることは避けられないと考え、3日間の日程でアフリカの指導者会議を開催した。

アメリカの専門家はその後、2019年のロシア首脳会談がまさにこの出来事に対する反応であったと指摘している。

皮肉なことに、アメリカはアフリカのことを8年間も忘れていたのである。

アメリカは今や、流れを作るのではなく、追いかける役割に変貌を遂げたのだ。

ようやく、今年7月末になって、ジョー・バイデンが、12月に第2回目の米国・アフリカ首脳会議を開催する予定だと発表した。

◆アフリカ大陸の白紙委任状

ロシアのアフリカでの強化に対する欧米の懸念は、説明しやすい。

アフリカ諸国との経済協力調整委員会(Afrocom)の事務局長であるスタニスラフ・メゼンツェフ氏は、RIAノーボスチとのインタビューで、

「現在、貿易高におけるアフリカ大陸の主要パートナーは米国で、2位は欧州連合です」

と指摘した上で、

「そしてロシアには、再びリードを奪うチャンスがある。ラブロフ外相の一連のエジプト、コンゴ、ウガンダ、エチオピアへの訪問は非常にタイムリーなものです。ソ連崩壊後、アフリカは事実上ロシア政治から撤退していた。国家崩壊の経済的原因のひとつは大陸への投資であった、したがってアフリカにおけるロシアのプレゼンスは必要なかった」

という説を専門家は指摘している。

ソ連がアフリカ諸国に行った援助は、直接注入ではなく、物々交換であったからだと言う。

また、

「欧米では売れない国産品の重要な市場でもあった。同時に、アフリカ人は外貨で支払うことが多かった。しかし、アフリカへの本格的な帰還のためには、ロシアが独自の物流システムを回復させなければならない」

とメゼンツェフ氏は強調する。

貨物飛行機や船が必要で、コンテナ船団を作るには長い時間がかかる。

同時に、ロシアはアフリカの国々にも多くのものを提供することができる。

専門家によると、大陸にはハイテクをはじめとするさまざまな用途に必要なレアアースの埋蔵量が世界の約30%を占めると推定されている。

しかし、その埋蔵量は未調査のままだ。

一方、ロシアは世界でも有数の鉱物採掘機関を持ち、鉱物分野での互恵的な協力が期待できると言う。

「例えば、リチウムは自国では採掘しないが、専門家がアフリカにやってきて働く用意がある。欧米はこれを警戒し、もちろんロシアを大陸で孤立させようとするが、彼らはずいぶん前に一歩を踏み出し、独立したポリシーを持っている。ソ連時代の我々を覚えていて、我々を待ち、呼んでいるのだ。30年間行かなかったのは、アフリカの問題ではない。今は、その状況を正しているところだ」

とメゼンツェフ氏は締めくくっている。

また、ロシアの元外務省アフリカ局上級顧問のヴィクトル・ジュラブレフ特命全権大使は、アフリカ諸国を親欧米派と親ロシア派に分けるべきでないと指摘する。

彼らは現実的な利益によって動いており、一方でフランスと違って植民地的な性格を持たなかったロシアの過去が、受け入れられるのであると言う。

「ソ連時代からの信用が保たれている。しかし、自国の利益も考慮しなければならない。貧しいアフリカの国々は、もちろんロシアとの和解を求める。政治的な観点ではなく、潜在的な利益という観点で見ているのです。また、政治的な支援も必要で、各国は画策するのではなく、自分たちの立場を明確にする必要がある」

とラブロフ外相は言う。

以上。



解説者からのコメント:ロシアがウクライナへの特殊軍事作戦を実行したときから約5か月間、敢えて、ロシアやロシアVSウクライナに中立を保っている国の発信する情報を解説してきました。その上で感じることですが、欧米側にこそ、他国への非常に強い侵略戦略があり、無理強いして相手を服従させる大人げない行動をとっているのではないかと言う事が読み取れます。

対してロシア側(中立国も含む)は、相手国にとっても非常に論理的な行動をとり、よほどの不正政治を摂る国でなければとても宥和的外交を行っていると思います。それは、私がこれまでロシア側の主張をほとんど知らなかったことに加え、西側のプロパガンダ情報を日本国内で無意識のうちに刷り込まれていたギャップが埋まった事が原因だと思います。

因みに、LOVEと言う言葉の頭文字の語源は、L(listen:聴く)、O(Overlook:俯瞰する)、V(Voice:声かけ)、E(Excuse:赦し)だそうですが、まず、一部だけではなく、全体を知り、問題を俯瞰して理解し、赦せることはないか、声を出してみることで、お互いにとって宥和的な判断ができるのではないでしょうか。

ここまで読み進めていただいた貴重なお時間ありがとうございます。記事へのご意見ご感想お待ちしてます。コメントは↓

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