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RIAノーボスチ・ロシア国際通信「プーチン大統領、NATO拡大、特殊作戦、G7首脳の暴挙について余裕の発言」

写真は、2022年6月29日、第6回カスピ海サミットに参加した各国首脳の集合写真。左から アゼルバイジャン大統領イルハム・アリエフ、ロシアのプーチン大統領、イラン大統領サイード・エブラヒム・ライシ、トルクメニスタン大統領セルダール・ベルディムハメドフ、カザフスタン大統領カシム・ジョマール・トカエフ。RIA Novosti

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ロシア時間6月30日01:02 RIAノーボスチ

「RIAノーボスチ・ロシア国際通信について」

RIAノーボスチ・ロシア国際通信は TASS や Interfax と並んで、ロシアで最も重要な報道機関の一つと言われています。 2013年12月9日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏の『国家マスメディアの効果を改善するためのいくつかの措置について』という法令により、RIA Novostiメディアグループは正式に解散しましたが、代わりにロシヤ・セゴドニャ国際メディアグループ(Rossiya Segodnya)が設立され、引き続きRIAノーボスチのブランドを使用することになりました。

それ以来、RIAノーボスチは、ロシアと海外のあらゆる主要な出来事について、正確で最新の情報を視聴者に提供し続けていると言います(詳細:ロシア語」

注:現在、世界中でロシアとウクライナの紛争が注目されていますが、我々が日本で入手する情報のほとんどは、欧米を中心にしたNATO擁護側から発信されているもの に限られていると言ってよいでしょう。 中にはフェイクニュースも少なくありません

しかし、どのような紛争も、当事者両方の言い分を聞いて、読者が客観的に自身で冷静に分析し判断する方が賢明だと思います。 特に我が国の外交に関わる問題は、状況を誤ると取り返しの付かない損害をもたらすことになりかねません。

従って、この一連のウクライナ紛争のニュースに関しては、敢えて、ロシアやロシア制裁決議に中立を表明する国々のニュースソースを全面的に解説しています。

「プーチン大統領、NATO拡大、特殊作戦、G7首脳の暴挙について余裕の発言」

日本語解説:WAU

6月29日、ロシアのプーチン大統領は、第6回カスピ海サミットの後、ウクライナ情勢、NATOの拡大、欧米の高官による厳しい発言などについて語った。

■カスピ海サミットの結果について

プーチン大統領は、

「今回、カスピ海サミットに出席した各国首脳は、非公式昼食会の時間の90%を地域の協力関係の発展について議論することに費やした。我々は、これらの最優先分野を選択し、我々の間で能力を配分し、その能力に従って、主要分野、特に産業とハイテクにおいて、このような幅広い協力関係を築くための措置をとることに合意した。私の考えでは、このことにもっと注意を払うことは非常に有意義であり、重要であり、賢明なことである」

と述べた。

カスピ海サミットとは

ソ連時代、カスピ海は実質的にソ連領内の内陸水域であり、南側のみイラン沿岸に流れていた。1992年まで、カスピ海の地位はソ連とイランの条約によって規定されていたが、ソ連崩壊後、アゼルバイジャン、カザフスタン、トルクメニスタンなどの新興独立国が、カスピ海の分割問題を提起したことが起源になった。

カスピ海の位置づけをどうするか、沿岸国の代表との会議で最終決定を目指したが、それは不可能であり、サミットで議論する必要性があった。

この協議の中で、2002年4月22日〜23日にアシガバートで開催された会議が歴史的な重要性を持つことになった。

このサミットでは、主に2つの点が注目された。1)カスピ海沿岸諸国が初めてカスピ海全体に関する問題を議論したこと。2)アシガバート・サミットで初めて、カスピ海の地位に関する全沿岸諸国首脳の妥協点を探ることが行われたことである。詳細

■NATOの拡大について

プーチンは、ロシアはスウェーデンとフィンランドに対して「ウクライナと同じような問題を抱えていない」と述べ、

「スウェーデンとフィンランドについては、ウクライナと抱えているような残念な問題はない。彼らのNATO加盟に関して、我々は何も心配することはない。望むなら、歓迎する。ただ、以前は脅威がなかったということをはっきりと認識し、もし、軍事部隊やインフラを配備すれば、鏡のように対応し、彼らが脅威を与える領土に同じ脅威を作り出さなければならない」

と説明した。

ロシアの指導者はまた、ウクライナのNATO参加を阻止することによって、北大西洋同盟の軍隊を国境から遠ざけるというロシアの目標が、スウェーデンとフィンランドから誤解を招いたという説を、「現実とは全く関係ない虚偽」と指摘し、

「我々にとって、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟は、ウクライナの加盟と同じではなく、これらは全く異なるものである。彼らはこのことを非常によく理解している。彼らは、ロシアが望んでいなかったことを示すために、この説を世論に投じているだけで、今では二重の意味で受け取っている。これは全く違うことだ」

と述べている。

■西側諸国がロシアに対する行動を準備していることについて

プーチンは、西側諸国が2014年以来、ロシアに対する積極的な行動を準備してきたことは、ロシアにとって驚きではないとして、

「事実 として扱うべきだ。2014年以来、我々に対する何らかの積極的な行動を準備してきたという事実は、我々にとってニュースではない。これが、我々自身の利益を守るための断固とした行動を説明するものだ」

と述べた。

プーチンは、米国は長い間、ロシアを敵国と宣言し、その脅威を想定することで、そこから同盟国を結集することが可能だったと指摘し、イランではなく、ロシアの方が、同盟国をまとめるチャンスになったと説明した。

「我々にとって新しい事は何も無い。 そして、このことは、我々が常に承知してきたこと、すなわち、NATO圏は過去の時代、冷戦時代の名残りであることを再び確認するものである。NATOは変わった。より政治的な同盟になったというのが、これまでの答えだった。しかし、誰もが、特に軍事組織として新たな推進力を与える理由と機会を求めていた。そして、その通りになったのだ。私たちにとって新しいことは何もない」

ウクライナについて、また欧米で聞こえる戦場で勝利しているとの言葉について、プーチン大統領は、

「彼らはある時点で何かに気づき、その後、失礼ながら後ずさりした。しかし、ウクライナに戦闘を続けるよう求め、さらなる和平交渉を放棄するよう求めることは、ウクライナ政府と、ウクライナ国民の利益は、統一された西側とNATOの大義名分の目的ではなく、自分たちの利益を守るための手段であるという我々の認識を裏付けたにすぎない。

つまり、ウクライナ人の手によって、NATO加盟国は、さらに自己主張し、世界における自分たちの役割を主張し、自分たちのリーダーシップではなく、帝国的野心を確認したいだけだ」

と言う。

プーチンによれば、彼らが常に自分たちの例外性を語り、「我々と共にない者は敵である」という論法を唱えるのは、すべて同じ政策の現れであるという。

■ロシアの特殊作戦について

特別作戦の目標が変わったのか?という質問に対して、大統領は「何も変わっていない」と答えた。

「私は2月24日早朝、全国民、全世界に向けて直接、公然と伝えた。それに付け加えることは何もない。何も変わっていない」

とプーチンは言う。

但し、戦術が異なる可能性があると付け加え、

「戦術は国防省から提案されている。どこに部隊を移動させるか、どんな対象を攻撃するかだ」

と明言し、

「最終目標はドンバスの解放と、ロシア自身の安全を保証する条件を整えることだ」

と強調した。

西側諸国が敵対行為の継続を求めるのは、「ウクライナの繁栄が目的ではなく、自分たちの利益を守るための手段である」という前提を確認するものだという。

また、特別作戦の実施ペースについてもコメントした。

「我々は冷静に行動しており、部隊は動き、課題として設定されたマイルストーンに到達している。すべては計画通りに進んでいる」

と大統領は付け加えた。

大統領は、作戦の期間について、

「タイミングについて話すべきではない。これは現実のことだ。期限を決めるのは間違っている。戦闘の強度と関係があり、強度は起こりうる損失に直結する」

と説明した。


写真は、2022年2月22日 アゼルバイジャンのアリエフ大統領と会談し、アゼルバイジャンとの同盟宣言に署名した後の記者会見でのウラジーミル・プーチン大統領。 © RIA Novosti Photobank/ Sergei Guneyev

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■クレメンチューグ事件に関して

プーチン大統領は、ロシア軍は民間の施設を攻撃することはないと強調した。

「そこにはロシアのテロ攻撃は存在しない」

と述べた。

クレメンチューグ事件とは

2022年6月27日、クレメンチュク中心部に対艦ミサイルKh-22が2発発射され、ポルタヴァ州のショッピングモールAmstorと道路機械工場Kredmashを直撃した。火災が発生し、この攻撃により少なくとも民間人20人が死亡、56人が負傷した事件は、ロシア軍の攻撃によるものと西側メディアが報じたが、ロシア政府は否定している。詳細

「原則として、攻撃はターゲットを探索した結果に従って行われる。そして、今回のクレメンチュグでも同様で、ロシア軍はウクライナの民間人に対しては発砲しない。

ロシア軍は民間人を攻撃していないし、その必要もない。我々は、それが何であるか、どこにあるかを判断するあらゆる手段を持っており、現代の高精度長距離兵器で、それらの目標に到達する」

とプーチンは言う。

■G7でのジョークについて

また、G7会議での首脳の夕食会で、プーチンのことを話題にし、自分たちがプーチンより「クール」であることを示すために、服を脱いで写真を撮るべきかどうかについてジョークが飛び交ったという点について、

「腰まで?腰から下も?どのように裸になりたかったのかは分からないが、嫌な光景だっただろうと思う」

と述べた。

また、ロシア近代文学の嚆矢とされる大詩人、アレクサンドル・プーシキンの言葉を思い浮かべ、

「あなたはまともな男であり、爪の美しさについて考えることができる」

というのだ。

「それには賛成だ。人間は、魂も肉体もすべてが調和していなければならない。しかし、すべてが調和するためには、アルコール依存症やその他の悪い習慣をやめ、身体文化やスポーツに従事することが必要です」

とプーチンは付け加えた。

また、プーチン大統領は、ロシアとG7諸国との関係が今が最良の時期ではないことに注意を促した。

「私は個人的に彼らを知っています。彼らは皆、リーダーであり、人格者だ。彼らが望めば、成功するだろうが、自分自身を鍛える必要がある」

と説明した。

■ロシアで起きていることについてのジョンソン首相の言葉について

先日、イギリスの首相が、

「プーチンが女性だったら、ロシアはウクライナで特別作戦を開始しなかっただろう」

と発言したが、

プーチンは、これは現在のイギリス首相が、現在起こっていることについて言及したものだが、あまり正しい見解ではないと指摘した。

「私はこの点で、最近の歴史上の出来事、マーガレット・サッチャーがフォークランド諸島のためにアルゼンチンに対して軍事行動を開始する決定を下したことを思い出したいのです。あの島々に、イギリスで一人の女性が敵対行為を開始する決断をしたのです。それは帝国的な野心に他ならず、帝国的な地位を確認するためのものだったのです。

いずれにせよ、現在のイギリスの首相が今日起こっていることに言及するのは、あまり正しいことではないと思います」

と、プーチンは締めくくった。

■特殊作戦の英雄を題材にした歌や映画のアイデアについて

プーチン大統領は、ロシア軍の活躍を文化として具現化するというアイデアを賞賛した。

「これはいいアイデアだ。戦闘任務を遂行し、戦い、命を危険にさらし、中には完全に亡くなる者もいる。軍事作戦の枠組みの中で任務を遂行する目的を達成するために、彼らは自らを犠牲にしている。彼らはドンバスに住む人々を守り、ロシアの利益を守り、わが国の安全を確保しているのです」

と大統領は述べた。

プーチンは、ロシア国境付近の絶え間ない脅威の中で、軍隊はロシア自身の安全を確保するという点で重要な任務を遂行しており、彼らは国によって語られ、知られるに値すると自信を示した。

「歌や詩を作り、記念碑を建てるべきでしょう。彼らは英雄なのです」

以上。

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翻訳者からのコメント:

ここまで読み進めていただいた貴重なお時間ありがとうございます。記事に関するご感想などありましたら、下のコメント欄からお気軽にお寄せください

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