RIAノーボスチ・ロシア国際通信「石油、インフレ、通貨、国際経済フォーラムでのプーチンの主張、合意された内容」

写真は、2022年6月17日、第25回サンクトペテルブルク国際経済フォーラムの全体会議で発言するロシアのウラジーミル・プーチン大統領 © RIA Novosti Photobank/ Pavel Bedniakov

ロシア時間6月18日08:08 RIAノーボスチ
by イリーナ・クラシコワ
Irina Krasikova

「RIAノーボスチ・ロシア国際通信について」

RIAノーボスチ・ロシア国際通信は TASS や Interfax と並んで、ロシアで最も重要な報道機関の一つと言われています。 2013年12月9日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏の『国家マスメディアの効果を改善するためのいくつかの措置について』という法令により、RIA Novostiメディアグループは正式に解散しましたが、代わりにロシヤ・セゴドニャ国際メディアグループ（Rossiya Segodnya）が設立され、引き続きRIAノーボスチのブランドを使用することになりました。

それ以来、RIAノーボスチは、ロシアと海外のあらゆる主要な出来事について、正確で最新の情報を視聴者に提供し続けていると言います（詳細：ロシア語」

注：現在、世界中でロシアとウクライナの紛争が注目されていますが、我々が日本で入手する情報のほとんどは、欧米を中心にしたNATO擁護側から発信されているものに限られていると言ってよいでしょう。中にはフェイクニュースも少なくありません

しかし、どのような紛争も、当事者両方の言い分を聞いて、読者が客観的に自身で冷静に分析し判断する方が賢明だと思います。特に我が国の外交に関わる問題は、状況を誤ると取り返しの付かない損害をもたらすことになりかねません。

従って、この一連のウクライナ紛争のニュースに関しては、敢えて、ロシアやロシア制裁決議に中立を表明する国々のニュースソースを全面的に解説しています。

「石油、インフレ、通貨、国際経済フォーラムでのプーチンの主張、合意された内容」

日本語解説：WAU

6月18日、第25回サンクトペテルブルク国際経済フォーラムは、3日間かけて熱い議論を展開した。

議題は、加速する世界的なインフレ、石油禁輸、通貨市場の急変動などだ。

サンクトペテルブルク国際経済フォーラムのメインテーマは、

「新世界・新しい機会」

である。

プーチン大統領は、

「ロシアへの経済制裁を背景に、ロシアの展望が開けた」

と本会議で述べた。

プーチン氏によれば、

「ロシアは決して孤立の道を歩むことはない。さらに、私たちは、私たちと一緒に仕事をしたいと望む、それに興味を持っている人々との協力を拡大しており、今後さらに拡大していくだろう。

その数は多いので、すべてを列挙することはしないが、これは地球上の大多数の人々である。西側諸国は国内経済の打開に失敗した。明らかに、うまくいかなかった、彼らが期待した事は起こらなかったのだ」

と言う。

プーチン氏は、ロシアがあらゆる製品の自国生産を速やかに確立すべきであると確信している。

しかし、これまでのところ、ロシアは依然として部品に問題を抱えていると認識している。

さらに、多くの技術的な解答が国内企業にとってアクセス不能となり、物流が混乱している。

ロシア中央銀行のエルビラ・ナビウリナ総裁は、

「以前のようにはいかないだろう。外部規制は、永遠ではないにせよ、急激に変化している」

とフォーラムで語った。

また、スベルバンク（ロシア貯蓄銀行）のハーマン・グレフ代表は、

「すべてのプロセスを見直す必要がある。早ければ早いほどいい。しかし、忍耐強くなければならない。物流、インフラ、決済チェーンを再構築するのは簡単ではない」

と警告し、次のように付け加えた。

「2030年というのは唯一の目標地点であり、経済シナリオを構築する上で最も合理的な選択肢です」

写真は、Expoforumコンベンション＆エキシビションセンターで開催された第25回サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムに出席した、スベルバンク社長兼経営委員会会長のハーマン・グレフ氏 © RIA Novosti Photonank/ Evgeny Biyatov

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フォーラムで特に注目されたのは、反ロシア制裁を背景に世界中で高騰している物価であった。

西側は再生可能エネルギーとガスのスポット販売制度に「盲目的に」賭けたことが影響したとプーチン氏は説明し、ロシアは逆に、インフレの高騰を抑えることができたと述べた。

本フォーラムのもう一つの重要なテーマ、それはルーブルの為替レートである。

ほとんどの高官や銀行家は、自国通貨が過剰に強化されていると考えている。

「3月、中央銀行は制裁を背景に緊急対策を講じた。キーレートを過去最高水準に引き上げ、通貨規制を行い、パニックを迅速に食い止め、インフレとルーブル安を抑制したので、国内金融システムのバランスを崩すこともなかった」

とテレトレード社のチーフエコノミスト、マーク・ゴイクマン氏は説明する。

「輸入が激減したため、ドルやユーロの価値は大きく低下した。4-5月期は、2月期に比べ供給量が半減した。その結果、今は予算が苦しい。主な収入は海外からの仕入れによる税金で成り立っている。まず石油は、輸出企業の売り上げが少なければ少ないほど、国庫に入るお金も少なくなる。

経済が縮小し、生産も縮小しているので、これらの資金は非常に必要なのだ」

と、同庁の対談者は続ける。

「そのため、ロシア銀行は主要金利を徐々に引き下げている。しかし、規制当局はまだ外国為替規制を完全に撤廃するつもりはない。制裁の条件では、それは不可能です」

とエルビラ・ナビウリナ総裁は言う。

写真は、第25回サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムのセッション「ロシア経済：現代の挑戦と活用のポイント」の参加者たち © RIA Novosti Photobank/ Alexei Danichev。

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一方、ロシアの自国通貨は焦ることなく、強くなり続けていると言う。

経済開発省のマキシム・レシェトニコフ氏は、本フォーラムの席上で、国内経済にとって最適なレートは1ドル＝70〜80ルーブルだと述べた。

しかし、本人に言わせると「今のところ現実的ではない」のだという。

「多少の切り下げは、国内産業にとって良いことです。例えば、金属加工業者にとって『ポイントゼロ』は1ドル＝70ルーブルです。最小限の効率で、輸出は可能です。これ以下では、すでに損失です」

と、産業貿易省のデニス・マントゥロフ氏は指摘する。

しかし、ロシア銀行は政府の干渉に反対している。

ロシア銀行第一副議長ウラジーミル・チスティウキンは、

「需要と供給のバランスをとるのは市場価格だ」

と強調した。

■ゴーイング・イースト

同時に、ロシアはすでに「東方へのパイプ」シナリオを展開している。

例えば、石油輸出の73％を制裁を課していない国々に振り向けることに成功したと言う。

「幸いなことに、ESPO（東シベリア・太平洋）石油パイプラインの建設については、先に決定され、実行に移されている。

これを通じて8000万トンを供給することができ、中国をはじめとするアジア諸国などに供給している。

我々は十分な港湾能力を持ち、空き容量もあり、それらを増やす計画もある」

とアレクサンダー・ノヴァク副首相は述べている。

同氏によると、

「ロシアは石油の供給をルーブル建てに切り替える予定はまだない。石油産業には多くの輸出企業があります。こちらでは市場がかなり自由化されているので、そのような仕組みを導入するのはかなり難しい。強制通貨収入の一部を市場で売却するという、すべての輸出企業がすでに実践している仕組みがある」

と言う。

http://visualrian.ru/story/list_273497654/8217436.html
写真は、第25回サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムのセッション「世界の石油・ガス市場の現在と未来」にて、ロシア連邦副首相アレクサンドル・ノヴァク氏が発言© RIA Novosti Photobank / Alexei Danichev