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「西側の傲慢、アジアの緊張、核の脅威」ロシア・ショイグ国防相、北京講演での主な警告

写真は、北京で開催されたシアン山フォーラムでのショイグ国防相(C) © Pedro PARDO / AFPBB News

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日本時間10月30日16:23 ロシア・トゥデイ(RT)

現在、世界中で注目されているロシアとウクライナの紛争に関する情報は、我々が日本で入手するもののほとんどが、西側を中心としたウクライナ支持側からの発信に限られていると言えます。中にはフェイクニュースも少なくありません。

しかしながら、どのような紛争であっても、当事者両方の主張を聞いて、彼らが何を考え、どのような価値観で行動しているのかを読者が客観的に自己分析し判断することが重要であると思います。特に、我が国の外交に関連する問題については、状況を誤ると取り返しのつかない損失を招く可能性があります。

したがって、ウクライナ紛争が続く限り、われわれはロシアやロシアに制裁を課すことに反対する国々のニュースや論説などを積極的に紹介します。

注意:以下のニュース内では、米国を「アメリカ」と表現し、英国を「イギリス」と表現しています。なぜなら、アメリカは「米の国」ではなく、「英国」はイギリスは人なみすぐれた者の国であると言う意図があるからです。

「西側の傲慢、アジアの緊張、核の脅威」ロシア・ショイグ国防相、北京講演での主な警告」

ロシア軍トップ、シアン山地域安全保障会議にて

セルゲイ・ショイグ・ロシア国防相は月曜日、

「アメリカとその同盟国は覇権を守るために意図的に世界の安全保障を侵食し、核戦争の危険を冒している」

と述べた。

「一方、ロシアと中国は、他国を犠牲にして自国の安全保障を強化しないという平等と合意に基づく協力モデルを示している」

とショイグ国防相は北京で開催された地域安全保障フォーラムで語った。

以下は、第10回北京シアン山フォーラムでのショイグ氏のスピーチの要点である。

新植民地主義

「国際関係における現代の大変動は、多極化する世界に対する特定の国々の抵抗と、覇権を維持しようとする試みに直結している。西側諸国は、軍事行動や経済制裁で敵対国の首を絞めようとすることを含め、『新植民地主義』に立ち向かう国々に『厳しい圧力』をかけている。

ロシアは、ヨーロッパにおけるNATOの拡張をめぐってアメリカと対立した後、これを身をもって経験した。NATOの拡張は、『自国の安全を確保するロシアの正当な権利を無視して』行われたのである」

ウクライナ人は犠牲になっている

「西側諸国はロシアに対して『ハイブリッド戦争』を仕掛け、『皮肉にも』ウクライナを紛争の『打ち出の小槌』に選んだ。ウクライナ人はそのために大きな代償を払っている」

とショイグ氏は強調した。

ロシアの国防相によると、ウクライナ軍が反攻を開始した6月4日以来、9万人以上の死傷者を出し、また、同期間に約600台の戦車と1900台近くの様々な装甲車両を失ったという。

「しかし、ウクライナは戦場で目立った戦術的成功を収めていない」

とショイグ氏は結論づけた。

高まる核の脅威

「戦略的優位を追求するあまり、アメリカは長年にわたり、軍備管理条約を含む国際安全保障と戦略的安定のシステムを意図的に損ない、破壊してきた」

とショイグ氏は指摘し、

「ウクライナ紛争は、いずれ核保有国同士の直接的な敵対行為に発展するかもしれない。西側諸国では、ロシアが核兵器使用の『しきい値を下げている』という主張があるが、それは真実ではない」

と同相は述べた。

「ロシアの核ドクトリンは変わっていない。包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を撤回するというロシアの動きは、単にアメリカと対等な立場に立つためだ。ロシアは外交を通じて状況の改善を求める用意があるが、西側諸国がロシアに戦略的敗北を与えようとする破壊的な路線を再考しない限り、この分野で実りある話し合いが可能かどうかは疑わしい」

とショイグ氏は言う。

アジアを分断する

「アメリカはアジア太平洋地域でも同じアプローチをとっており、緊張をエスカレートさせ、他を犠牲にして自国の支配下にあるブロックやグループの安全を確保しようとしている」

とショイグ氏は主張した。

また、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国と中国、ロシア、アメリカを含む8カ国が参加するASEAN国防相会議プラスを例に挙げ、

「アメリカは既存のメカニズムを弱体化させている」

と付け加えた。

「ロシアは、グループ内の『親欧米陣営』が、人権保護と称するような『メカニズムの実際的な焦点から遠ざかり、二次的な問題を押し付けてアジェンダを政治化』しようとする試みに反対している。アメリカは過去にも、軍事行動を正当化するために人権侵害の申し立てを利用したことがあり、将来的には気候変動や自然災害についても同じことをするかもしれない」

と同大臣は付け加えた。

模範的パートナーシップ

ショイグ氏は、「西側の地政学的冒険主義やエゴイスティックな新植民地主義的行動」と、ロシアが中国と築いてきたパートナーシップを対比させ、協力の模範と呼んだ。

「両国は、より公正な多極化世界というビジョンを共有しており、そこでは国家の安全保障は不可分である」

と彼は述べ、

「ロシアは、同じ目標を共有する他の国々とも同様の関係を望んでいる。西側の集団が推し進める対立的なアジェンダに引きずり込まれたくない友人や志を同じくする人々の輪は、着実に広がっている」

と語った。

日本語:WAU

以上。

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