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日本時間04月01日14:00 RIAノーボスチ
by ミハイル・カトコフ
Mikhail Katkov
注:現在、世界中で注目されているロシアとウクライナの紛争に関する情報は、我々が日本で入手するもののほとんどが、欧米を中心としたウクライナ支持側からの発信に限られていると言えます。中にはフェイクニュースも少なくありません。
しかしながら、どのような紛争であっても、当事者両方の主張を聞いて、彼らが何を考え、どのような価値観で行動しているのかを読者が客観的に自己分析し判断することが重要であると思います。特に、我が国の外交に関連する問題については、状況を誤ると取り返しのつかない損失を招く可能性があります。
したがって、ウクライナ紛争が続く限り、われわれはロシアやロシアに制裁を課すことに反対する国々のニュースや論説などを積極的に紹介しています。
「トランプがホワイトハウスに復帰するための性革命、その結末とは?」
日本語:WAU
アメリカの元大統領に対して刑事裁判が起こされるのはこれが初めてである。
ニューヨーク市マンハッタンの大陪審は、ドナルド・トランプがポルノ女優のストーミー・ダニエルズに13万ドルを支払い、親密な関係を黙っていたことを告発した。
これがどのような結末を迎えるか。
汚れた下着
トランプと女優の関係についての噂は、すでに10年前のことで、違法なことは何もなかったが、ダニエルズのためのお金は選挙資金から取られ、弁護士マイケル・コーエンの弁護士費用として充てられてのだ。
ニューヨーク州では、これは虚偽の報告、つまり犯罪行為とみなされる。
この弁護士は2018年に有罪を認め、3年の禁固刑を受けたが、当時はトランプが大統領であり、逃げ切った。
写真は、ストーミー・ダニエルズ© AP Photo / Matt Sayles
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現在、フロリダに移住している元国家元首はニューヨークへの出頭を求められており、そこで正式に逮捕、指紋採取、横顔とフルフェイスの写真撮影が行われる予定である。
CBSテレビによると、これは4月4日に起こる可能性があり、その後、最初の法廷審問が行われることになるが、アメリカのメディアは、トランプが刑務所に送られる可能性は低いと見ている。
最も可能性が高いのは、保釈あるいは、潜伏せず、捜査の邪魔をしないことを約束すれば、自首と言う事で釈放される。
検事は、民主党選出4年目のマンハッタン地方検事アルビン・ブラッグが務める。
トランプ氏はすでに、
「この検事はジョー・バイデンの汚れ仕事を代行している」
と発言している。
前大統領によると、民主党は自分を「捕まえる」ことに執着しているため、選挙戦を妨害するために無実の男を起訴することにしたのだという。
その際、トランプはブラッグをジョージ・ソロスの任命者だと呼んだ。
写真は、ワシントンでの演説中のドナルド・トランプ氏© AP Photo / Andrew Harnik
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民主党内でも、ブラッグがトランプと戦うことは、八百長だと考える人が多い。
別の民主党のタリー・ファルハディアン・ワインスタインは、ブラッグが「政治的優位」を得るために、ことあるごとに前大統領に言及していると指摘している。
ニューヨーク・ポスト紙によると、トランプが大統領当選直後、ブラッグは自らトランプに対する捜査を再開したが、部下たちの抗議に一斉解雇を始めたという。
共和党の有力者を塀の中に送り込むことができるのか、検察官の能力を疑う声も多い。
この罪状では、前大統領は有罪が確定しても刑務所を回避できる。
唯一の例外は、彼が他の犯罪を隠したり、犯そうとしたことが証明された場合である。
その場合、政治家は最長で4年の禁固刑に処される可能性がある。
一石二鳥
共和党のケビン・マッカーシー下院議長は、検察官に対する議会調査を開始することを約束した。
彼は、トランプの起訴は、危険な犯罪者を野放しにしておきながら、政敵には報復するという、とんでもない権力の濫用だと確信しているが、論理的には、ポルノスターとのセックス事件は、前大統領のホワイトハウスへの復帰計画に確かに打撃を与えるかもしれないのだ。
この陪審員の決定の1週間前にロイターが委託した世論調査によると、共和党の党員でも約44%が、トランプが正式に起訴されれば降板すべきだと考えているという。
写真は、米国大統領選への出馬を表明したドナルド・トランプ氏© AP Photo / Rebecca Blackwell
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一方、フォックス・ニュースの世論調査によると、訴訟をめぐる論争によって、トランプの党内人気は高まっているとして、2月には同党員の43%に支持されていたが、3月末には54%になったと言う。
一方、主なライバルであるフロリダ州知事ロン・デサンティスの人気は28%から24%へと低下した。
共和党の世論調査員ダロン・ショーは、この疑惑が前大統領の不正に対する闘士としてのイメージを強化するのに役立ったと考えている。
一方、トランプ氏は現在フロリダ州にいるため、ニューヨーク・タイムズ紙とBBCは、同氏の逮捕がデサンティスの評判を落とす可能性があると報じている。
共和党の有権者が、民主党の報復から前大統領を庇わなかった知事を非難する可能性もある。
そこでデサンティスは、同僚の刑事訴追を非難し、彼の身柄引き渡しを促進しないことを約束した。
写真は、フロリダ州知事ロン・デサンティス© AP Photo / Wilfredo Lee
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弁護士たちは、知事の立場は危険な状況を招く可能性があると警告している。
トランプをニューヨークに連れて行くには、警察官がフロリダ州から適切な許可を得なければならない。
また、この事がその後、他の共和党の州でも、指導者の身柄引き渡しを拒否すれば、アメリカを永久に分断することになりかねない。
そして、トランプの弁護士はきっと、この件を大統領選の後まで遅らせた上で、もし彼らのクライアントが再び大統領に就任すれば、免責が認められることになるだろう。
歴史上初
ロシア科学アカデミーによって設立された、プリマコフ国立世界経済国際関係研究所(IMEMO RAS)のアメリカ外交・国内政策部門責任者であるビクトリア・ジュラヴレヴァ氏は、裁判所はトランプに対して、これまでこのようなことをしたことがない人物であるとして寛大な態度を示すだろうと考えている。
加えて、彼が犯罪の主役であることを証明するのは極めて困難であり、元大統領を刑事責任に問おうとしているのは今だけで、検察庁も自らの力を疑っているようであると言う。
写真は、ドナルド・トランプ© AP Photo / Joe Maiorana
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「彼は裁判所に協力することを決意している。つまり、ゲームに参加することを望んでいるのだ。検察は彼を捕まえるためにあらゆる方法を試みてきた。ロシアとの共謀の疑いでも、議事堂を襲撃しようと呼びかけたことでも、税務手続きを開始したことでも。しかし、彼らは愚かにも彼を捕まえた。このような目的のために選挙資金を使うことは、絶対的な怠慢、不注意であるのだから」
と専門家は言う。
しかし、ジュラヴレヴァ氏によれば、
「新たな裁判によってトランプが大統領選に出られなくなることはないし、しかも、このスキャンダラスな話は彼のポイントをさらに高めるだけで、裁判が行われている間、彼は選挙運動をすることができます。有罪が確定しても、投獄されなければ、出馬する権利はある。憲法上、何の制約もない。それに、この一連の話で、トランプと民主党のどちらが得をするのか、まだはっきりしない。彼の支持率は上昇し、選挙基盤はさらに彼に結集している」
とは言う。
同氏によれば、不正選挙の告発が争点となったことで、前大統領の支持者たちはクーデターに似たことを起こそうとするようになったと言う。
今、さらなる指導者に対する本格的な弾圧が展開されている事で、彼らの決意はさらに固まる一方だろう。
トランプに大統領就任の野望がなかったとしても、今ならあるはずだ。
以上。
「RIAノーボスチ・ロシア国際通信について」
RIAノーボスチ・ロシア国際通信は TASS や Interfax と並んで、ロシアで最も重要な報道機関の一つと言われています。 2013年12月9日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏の『国家マスメディアの効果を改善するためのいくつかの措置について』という法令により、RIA Novostiメディアグループは正式に解散しましたが、代わりにロシヤ・セゴドニャ国際メディアグループ(Rossiya Segodnya)が設立され、引き続きRIAノーボスチのブランドを使用することになりました。
それ以来、RIAノーボスチは、ロシアと海外のあらゆる主要な出来事について、正確で最新の情報を視聴者に提供し続けていると言います(詳細:ロシア語」
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