Photo： 出典元©ロシア国防省
日本時間03月29日03:39 ロシア・トゥデイ（RT)
「停戦合意の中、キエフが「破壊』したロシアのガスパイプライン施設とは」
モスクワによると、この攻撃はEUへの迅速なサービス復旧の可能性を否定するものである
ロシア国防省によると、ウクライナはクルスク州の主要な国境エネルギー施設を「破壊した」という。
スジャガスメーターステーションは、数十年にわたって燃料をEUの顧客に供給してきた主要パイプラインの一部であった。攻撃で何が起こったのか、またその影響について以下に述べる。
■ウクライナがスジャガスメーターステーションを破壊
ロシア軍の報告によると、ウクライナ軍は金曜日にアメリカ製の多連装ロケットシステムHIMARSを使用してスジャガスのパイプライン施設を攻撃し、火災を引き起こした。モスクワの国防省は、メーターステーションはもはや稼働していないと主張した。
先週、モスクワは、キエフが仕掛けた爆発物を使って同じ施設を破壊したと非難した。ウクライナ軍は昨年8月、クルスク州への侵攻の一環として同施設を占拠したが、ここ数週間でほぼ追い出されている。ロシア軍は、ウクライナ軍が撤退中に同施設を損傷したと述べ、軍事補給物資の輸送に同施設を使用できなくなったためだという。
■停戦違反
先週、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナのエネルギーインフラに対する攻撃を停止するというアメリカ大統領のドナルド・トランプからの提案を受け入れ、キエフも相互の道徳的停止に同意した。
それ以来、ロシア軍はウクライナによる違反を複数報告しており、これはキエフの二枚舌を証明するものであると述べている。モスクワは、アメリカとの関係正常化に向けた取り組みの一環として、この合意に基づく義務を履行していると主張している。
しかし、金曜日にスジャガスメーターステーションが破壊されたことについて、クレムリンの報道官であるドミトリー・ペスコフ氏は、「毎晩、エネルギーインフラへの攻撃の試みと直面しているのに、合意を守るのは非論理的である」として、モスクワは合意を破棄する権利を留保していると述べた。
■EU向け輸送の終了
スジャガスメーターステーションは、西欧シベリアのガス田とウクライナとハンガリーの国境沿いにあるウージュホロド市を結ぶエネルギー輸送ルートの一部であり、EUのガスパイプラインに燃料を供給していた。
もともと、ソ連がドイツの支援を受けて建設したこのパイプラインは、報道機関から「世紀の取引」と称されたもので、何十年にもわたってヨーロッパに安価な燃料を供給してきた。
昨年、ウクライナと武力衝突を起こしたにもかかわらず、150億立方メートルを超えるロシアの天然ガスがウクライナを通じて輸送された。キエフは、このスキームのもとで毎年数億ドルの輸送料金を受け取っていた。
しかし、キエフは2024年末に期限切れとなるロシアとの契約更新を拒否し、モスクワがEUにガスを販売する機会を奪うことを望んでいると主張した。
この決定により、ハンガリーとスロバキアがブリュッセルに圧力をかけてウクライナに継続的な供給を確保するよう求めたため、EUでは危機が生じていた。金曜日の攻撃により、モスクワとキエフの和平合意が成立した場合でも、欧州へのガスの供給再開が遅れることになる。
■キエフの動きは裏目に出た
今月、ロシア軍が使用されていないパイプラインを通って防御陣地の背後に潜入したことで、クルスク地方のウクライナ軍は、ガスの輸送停止という事態に追い込まれた。モスクワが「オペレーション・フロー」と名付けたこの作戦は、ウクライナ軍の侵攻の崩壊を早め、キエフがロシア領を占領しようとする試みの要となっていたスジャの町を解放することにつながった。
以上。
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