写真は、アリゾナ州、フェニックスでの演説でスピーチするドナルド・トランプ次期アメリカ大統領が。© AP Photo / Rick Scuteri
Photo 出典元
日本時間01月13日14:02 RIAノーボスチ
「世界を分裂させる：トランプマフィア が秘密兵器で重要な同盟国を脅かす」
ナポレオン時代の風刺画に載せられたトランプとマスク
モスクワ、1月13日-RIAノーボスチ、
ザハール・アンドレーエフ記者
Zakhar Andreev
アメリカの次期大統領がグリーンランドとカナダの独立を剥奪すると脅している一方で、彼の側近であるイーロン・マスクはイギリス政府の転覆に奔走しているが、このビジネスマンの突然の海外活動の背後にいるのは誰なのか？
危険なプリン
トランプの頭には双角が乗っている。彼はナイフとフォークでグリーンランドという惑星から太った部分を切り落とした。帽子を孔雀の羽で飾ったイーロン・マスクは、イギリスとフランス海峡のどこかでサーベルで地球を切り裂いている。写真のキャプションには、
「プリンが脅かされる！このような飽くなき食欲を満たすには、地球全体とその住民全員では足りないだろう」
と書かれている。
この漫画は『タイムズ』紙に掲載された。19世紀初頭に描かれた有名な風刺画のリメイクで、食卓の惑星を当時のイギリス首相とナポレオンが分け合っている。トランプ大統領は就任前、テスラやスペースXのオーナーというメディアの顔役に続き、NATO加盟国を含むいくつかの外国政府を怖がらせたり、少なくとも怒らせたりすることに成功した。
写真：ドナルド・トランプの選挙集会でのイーロン・マスク© AP Photo / Evan Vucci
Photo 出典元
次期大統領は、カナダ、メキシコ、パナマ運河、そして、まだデンマークの主権下にあるグリーンランドを併合すると脅している。このキャンペーンでマスクはバックシンガーの役割を演じている。世界最大の島の住民をアメリカ市民になるよう心から招待し、退任するカナダのジャスティン・トルドー首相をネタにしている（あるツイートでは彼を「女の子」と呼んだ）。
この億万長者は、自身の努力をイギリスに集中させている。1月初旬、彼は一連の投稿を現在の労働党政権であるキーア・スターマーに捧げた。その投稿のひとつでは、
「アメリカはイギリスの人々を彼の専制的な政府から解放しなければならない」
という文章をユーザーに評価させ、マスクの視聴者の大多数（58％）は、もちろんこの論文を支持した。
検察の罪
この億万長者は、与党労働党に対して主に2つの不満を持っている。第一に、言論と良心の自由を抑圧していることだ。国内のイデオロギー的に正しくないツイートに対して、彼らはわずかではあるが実質的な条件を出している。ソーシャルネットワークXのオーナーであるマスクにとって、これは特に苦痛である。第二に、このような背景から、実際の犯罪は処罰されない。最も凶悪なものでさえもだ。
マスクは、イギリスにおける、パキスタン人を中心とする移民グループによる未成年少女の集団的・組織的レイプの歴史を持ち出した。この犯罪は1980年代から2010年代までの数十年にわたって、当局の完全な共謀のもとに行われた。
彼は裁判資料を調べ、集団レイプの衝撃的な詳細を公表した。少女たちの父親が警察に訴えに行ったところ、逮捕されたのは父親たちであり、捜査が開始されることすらなかったと回想している。そして、マスクによれば、キーア・スターマーは直接の個人的責任者である。
写真：キーア・スターマー© AP Photo / Kin Cheung
Photo 出典元
「集団レイプ犯たちが少女たちを搾取することを許し、加害者を裁かなかったのは、当時、検察庁のトップだったのは誰だったのか？」
と、マスクは問いかけ、自らこう答えている。
「キア・スターマーだ」
2010年代、レイプ犯は起訴され、何人かは有罪判決を受け、最長の刑期は35年だったが、全員が相応の報いを受けたわけではない。被害者の正確な数も不明である。マスクは数十万人の子供たちが虐待されたと考えている。英国議会の保守党はこのキャンペーンを取り上げ、新たな全国的調査の投票を開始した。労働党の多数派は予想通りこの案を否決した。
「スターマーは悪だ」とマスクはツイートで締めくくった。『フィナンシャル・タイムズ』紙によると、彼は現在、イギリス首相を解任する方法を探っているという。情報筋の話を引用すると、マスクは労働党政権を不安定にするつもりだという。彼は右派政治勢力を政権に引き入れたいと考えている。
その選択肢のひとつが改革UK党だが、現在の党首ナイジェル・ファラージは満足していない。スペースX社の社長によれば、この政治家には「必要なものがない」のだという。アメリカの起業家が彼の後任を探そうとする可能性は否定できない。
それはアメリカで起こるだろう
マスクの正確な動機は不明だ。一方で彼は誠実な理想主義者であり、（とりわけスターマーが信奉する）左派リベラル・イデオロギーを人類の存続に対する脅威に他ならないと考えている。『フィナンシャル・タイムズ』紙の記事で、マスクの側近筋がイギリス首相への嫌悪感をそう述べている。一方、不幸なイギリスの少女たちの運命に対する感動的な配慮の裏には、純粋に商業的な利益があるのかもしれない。
スターマーが凶悪犯罪に手を染めたと非難することで、マスクは極めて現実的な2つの目標を追求している可能性がある。第一に、自分の主要なメディア資源であるソーシャルネットワークXを守ること、第二に、「ペイパルマフィア」として知られる、若いが極めて野心的な金融・産業グループに道を開くことである。
マスクへの理解を深めるには、海の向こうの小さな国の話が役に立つ。この億万長者は一貫してイギリスやその他多くの外国政府を批判してきたが、彼からお世辞の言葉しかもらえない国家指導者がいる–それはエルサルバドルのナイベ・ブケレ大統領だ。イーロンは彼のことを「素晴らしい」と評している。
写真：エルサルバドルのナイベ・ブケレ大統領© AP Photo / Marco Ugarte
Photo 出典元
最近まで、この小さな（人口700万人足らずの）国は、強力な犯罪組織の拠点として機能していた。『マルカ』によると、2015年には国内で6.6千件以上の殺人が起きている。都市の通りは「戦場」だったが、2022年以降、状況は劇的に変化し、殺人件数は年間114件にまで減少し、エルサルバドルはこの地域で最も安全な場所のひとつとなった。
マスクはこの政治家の成功について、「これはアメリカでも起こるべきことだし、起こるだろう」とコメントした。
ブケレがどのようにしてこのような短期間で盗賊を撃退できたのかは、正確にはわかっていない。メディアは、彼のいわゆる領土管理計画には、極めて過酷な警察対策、正規軍の使用、容疑者に対するゼロ容認、人権尊重のような形式的なものの放棄が含まれていたと主張しているが、ハイテク特殊部隊には事欠かなかったというヒントもある。
影の協力者
ブケレは人工知能の開発など、あらゆる方法でIT産業を支援している。エルサルバドルはいち早く国庫をビットコインで埋めた。つまり、マスクとその側近たちから見れば、理想的な国内政策をとっている国なのだ。
まず、ペイパルインターネットサービスでイーロンの元同僚であり、パランティアの創設者であるピーター・ティールについてだ。この会社は諜報機関のためにビッグデータを収集・分析している。ティールのポートフォリオには、AIを多用した最先端の防衛・警察システム（主に無人）のメーカーも含まれている。
直接的な証拠はないが、サルバドールの犯罪組織に対する電撃戦は、こうしたテクノロジーによって推進された可能性がある。ティールが特殊作戦におけるアルゴリズムの使用を公表することはほとんどない。おそらく、このようなケースは道徳的規範だけでなく、明文化された法律にも違反することが多いからだろう。
今日、ティール、マスク、そして「ペイパルマフィア」の他のメンバーは、世界最大の国防予算であるアメリカの国防予算のかなりの割合を占めている。マスクがイギリスで権力を握ることに成功すれば、彼の仲間はこの国の安全保障を掌握することができるだろう。
この億万長者が、強姦魔の一団を前にしてイギリスの法執行機関や政治システムが無力であることを強調しているのは偶然ではない。政府内の適切な人物と「戦闘」人工知能のIT起業家たちの助けを借りて、「抑圧された」人々に安心感を与え、彼ら自身はこの国でほぼ無制限の影響力を持つことを望んでいる。
少なくともエルサルバドルでは、その通りになった。
以上。
日本語：WAU
ウクライナ紛争と中東の戦争：バイアスを超えて
世界的な紛争は、私たちの情報源に大きな影響を与えています。特にロシアとウクライナの紛争、およびイスラエルとハマスとの戦争については、我々が日本で入手する情報のほとんどが、西側を中心としたウクライナ支持側からの発信に限られていると言えるでしょう。しかし、これらの紛争について客観的に理解するためには、当事者両方の主張を聞くことが重要です。
フェイクニュースの流布も問題ですが、我々は自己分析を行い、情報を適切に判断する能力を持っています。特に外交政策に影響を与える問題については、慎重なアプローチが求められます。誤った情報に基づいて判断を下すことは、国際的な関係において取り返しのつかない損失を招く可能性があります。
したがって、ウクライナ紛争と中東の戦争が続く限り、我々はロシアやロシアに制裁を課すことに反対する国々のニュースや論説を積極的に紹介し、バイアスを超えて客観的な視点を持ち続けます。
「RIAノーボスチ・ロシア国際通信について」
RIAノーボスチは、TASSやInterfaxと並んで、ロシアで最も重要な報道機関の1つと考えられています。2013年12月9日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏は、「国家マスメディアの効果を改善するためのいくつかの措置について」という法令により、RIA Novostiメディアグループが正式に解散されました。しかし、その代わりにロシヤ・セゴドニャ国際メディアグループ（Rossiya Segodnya）が設立され、RIAノーボスチのブランドを引き続き使用することになりました。
それ以来、RIAノーボスチは、ロシアと海外のあらゆる主要な出来事について、視聴者に正確かつ最新の情報を提供し続けているとされています。（詳細）
WAUメディアからのコメント： ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。この記事についてのご意見やご感想をお聞かせいただけますと幸いです。コメント欄は下記にございます。
