写真は、2020年7月24日、ワシントンDCのホワイトハウスにて、ドナルド・トランプ米大統領とロン・デサンティスフロリダ州知事 © Photo by Drew Angerer/Getty Images
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日本時間12月16日 21:02 ロシア・トゥデイ(RT)
by ブラッドリー・ブランケンシップ
Bradley Blankenship
アメリカのジャーナリスト、コラムニスト、政治評論家。CGTNでシンジケート・コラムを持ち、新華社通信などの国際通信社でフリーランスの記者として活躍。
注:現在、世界中でロシアとウクライナの紛争が注目されていますが、我々が日本で入手する情報のほとんどは、欧米を中心にしたNATO擁護側から発信されているもの に限られていると言ってよいでしょう(フェイクニュースも少なくありません)。
しかし、どのような紛争も、当事者両方の言い分を聞いて、読者が客観的に自身で冷静に分析し判断する方が賢明だと思います。 特に我が国の外交に関わる問題は、状況を誤ると取り返しの付かない損害をもたらすことになりかねません。 従って、ウクライナ紛争が続いている間は、敢えて、ロシアやロシア制裁決議に中立を表明する国のニュースソースや論説を全面的に紹介しています。
「ロン・デサンティスはドナルド・トランプを追い出すのか?」
2024年、米国共和党は、トランプではなく、新しいスターにドラマを望んでいるのか?
日本語:WAU
数週間前、私は保守的な共和党の家族のもとに滞在するアメリカ旅行を終えたばかりだった。
中間選挙期間中ということもあり、政治の話題が多く、Fox Newsなどの右派系テレビ局が24時間体制で放映されていた。
議論とテレビ番組が混在する中で、一つの共通テーマが浮かび上がってきた。
共和党はドナルド・トランプ前大統領から離れつつある。
それは、直近の選挙で彼の手塩にかけた候補者や共和党全般の成績が悪かったからだけでなく、私の父が私に言ったように、
「我々は再びトランプを望んでいるが、ドラマは望んでいない」
ということなのだ。
そして2024年、一人の大統領候補が、共和党のこの状況を改善するようだ。
フロリダ州のロン・デサンティス知事だ。
彼は自分の選挙で民主党の挑戦者に20ポイント近い差をつけて勝利し、全米レベルで同じようなものがない中でフロリダ州が独自のミニチュアレッドウェーブを起こすのに貢献したのだ。
現状では、2024年の大統領選の共和党候補はドナルド・トランプ氏のみと確定している。
共和党が下院を奪還したものの、世論調査の結果よりも全般的に低調で、上院の議席すら失った中間選挙の直後、トランプは右派層に迎合するような激しい演説で再選を表明したのだ。
今年の大きな政治的イベントの後に、このような盛り上がりのある早めの発表があれば、有権者に対するトランプの好感度が上がっただろうと期待しただろう。
しかし、どうやらそうではないだけでなく、ウォールストリートジャーナル(WSJ)の最新の世論調査では、現時点で正式な候補者でもないデサンティス知事が、初めてトランプを上回る結果となった。
WSJは、共和党予備選の投票予定者のうち、有権者が仮想の直接対決で前大統領よりフロリダ州知事を52%対38%で好むことを明らかにした。
また、共和党予備選は2016年と同様に混戦となる可能性が高く、保守系メディアでは多くの候補者が議論され、初期の主要州で広告を展開しているが、これはまだ出馬表明もしていない可能性のある候補者にとって、序盤の便利なアドバンテージとなっている。
この世論調査では、デサンティスが共和党の支持層から多くの支持を得ていることも判明した。
彼は共和党員からよく知られ、かつ好かれており、好感度は86%(トランプ氏は74%)、意見するほど彼について知らないという回答はわずか10%に過ぎない。
これは、ドナルド・トランプが半世紀近くも知名度の高い公人であるのに対し、政治家としてのキャリアが10年に過ぎない人物としては、かなり重要なことである。
しかし、世間の注目を浴びる期間が比較的短いということは、実は彼をより偏った人物にしないという利点にもなっているようだ。
前述したように、デサンティスにはトランプと比較して多くの利点がある。
前大統領と同様にポピュリストであり、共和党の支持層にとって魅力的なだけでなく、論争に明け暮れることもなく、概してトランプが頻繁に行うような小手先の政治には手を染めない。
つまり、彼は手荷物を持たない強力なMAGA候補であり、保守派はそれを知っている。
また、それを裏付けるように、彼の政権下のフロリダは、教育、移民、新型コロナなど様々な問題でジョー・バイデン大統領の連邦政府と頻繁に対立しており、共和党員の間では強い実績がある。
デサンティス自身が言うように、彼は民主党とバイデンが唱える「覚醒したアジェンダ」に対して、フロリダを自由の砦にしたのである。
それが米国内での国内移住の波を生み、温暖な気候、恒常的に低い税金、そしてもちろんデサンティス政権の政策を理由に、多くの人々がフロリダに移住してきたのである。
かつて投げやりな州であった政治的な人口動態を、信頼できる共和党の牙城に劇的に変化させているのは、実はデサンティスのリーダーシップなのである。
同州は人口が多いため、議会の議席数が増え、大統領選挙の選挙人団の代表権も増えるので、その意義は極めて大きい。
重要な2024年の大統領選挙まであと2年、共和党の支持者にとってはまだ多くのゲームが残されていることは確かだ。
WSJの世論調査を重く見るならば、デサンティスは明らかに共和党のフロントランナーであり、党の指名を勝ち取るための明確な窓口を持っている。
彼の今後の戦略は、シンプルでわかりやすいものだろう。
トランプ氏の攻撃に対してより大きな存在となり、前大統領ほど派手で劇的でない強力な保守派であることを示すことである。
もしこれが成功すれば、トランプ時代の終焉を意味し、共和党がその最も大きな負債を払拭する重要な機会となる。
以上。
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