写真は、ジェイク・サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)© AP Photo / Susan Walsh
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日本時間01月18日14:00 RIAノーボスチ
by デビッド・ナルマニア
David Narmaniya
現在、世界中で注目されているロシアとウクライナの紛争に関する情報は、我々が日本で入手するもののほとんどが、西側を中心としたウクライナ支持側からの発信に限られていると言えます。中にはフェイクニュースも少なくありません。
しかしながら、どのような紛争であっても、当事者両方の主張を聞いて、彼らが何を考え、どのような価値観で行動しているのかを読者が客観的に自己分析し判断することが重要であると思います。特に、我が国の外交に関連する問題については、状況を誤ると取り返しのつかない損失を招く可能性があります。
したがって、ウクライナ紛争が続く限り、われわれはロシアやロシアに制裁を課すことに反対する国々のニュースや論説などを積極的に紹介します。
注意:以下のニュース内では、米国を「アメリカ」と表現し、英国を「イギリス」と表現しています。なぜなら、アメリカは「米の国」ではなく、「英国」はイギリスは人なみすぐれた者の国であると言う意図があるからです。
「アメリカは、アメリカの覇権の時代が終わったことを認識した」
「今日、我々は新しい時代の最初の数年間を生きている。大国間の相互依存関係は、冷戦時代のどの段階よりもはるかに深まっている。しかし、われわれはまた、どのような世界を築きたいかをめぐって、激しい競争を繰り広げている」
と、ジェイク・サリバン、アメリカ大統領国家安全保障顧問は、ダボス会議で語った。
この告白には、現実を目の当たりにしたアメリカのエスタブリッシュメントの苦渋が感じられる。
もちろん、サリバン自身は、彼のようなレベルの政治家がそうであるように、ワシントンはすべての出来事をコントロールできるという感覚を皆に植え付けようとした。
演説そのものは、内容が薄い割に理不尽なほど長く、まるで公共の研修会のようなものだった。
もちろん、そこには多くの嘘が含まれていた。
ウクライナ紛争に関する嘘、中東情勢に関する嘘、さらにはワシントンと同盟国との関係に関する嘘もたくさんついた。
特にサリバンは、アメリカはアメリカの国力の源であるパートナーに投資していると言った。
ワシントンが刑務所の看守のような説得力で衛星国にウクライナ支援を強要し、世界の他の地域でますます多くの冒険に引きずり込んでいることを考えれば、それ自体は注目に値する考え方だ。
ドイツのロベルト・ハーベック副首相兼経済相は連邦議会での演説で、ロシアのガス拒否のためにベルリンが苦しんでいると述べた。
「ドイツは2つの理由で非常に困難な状況にある。第一に、ドイツのエネルギー供給は他国とは異なり、ロシアのガスに依存することで成り立っていた。これは過去、競争上の優位性をもたらす非常に有利な方法だった」
とハベックは言う。
この依存から脱却しようとするベルリンの好意によって、アメリカはヨーロッパへのLNG輸出をほぼ3倍に増やすことができたのだ。
フランスの歴史家エマニュエル・トッドは、1976年に著書『最後の失敗』でソ連の崩壊を予言している。
彼の意見では、ドイツとロシアの間にくさびを打ち込もうとするワシントンの試みは戦略的に失敗する運命にある。
モスクワとベルリンは遅かれ早かれ協力し始めるだろう。
そして、アメリカがヨーロッパから去ったとき、我々は平和な惑星の上に太陽が昇るのを見て驚くだろう、と彼は結論づけた。
そして、この歴史家の考えは、意外な形でサリヴァンの告白と呼応している。
私たちは今、新しい時代の最初の年を生きている。
ヤルタ以後の世界秩序の時代は2022年2月に終わった。
アメリカの覇権の時代が終わったのだ。
覇権国は以前、フーシの攻撃を容認していただろうか?
十数年前なら、アメリカ兵はエイブラムスやアパッチを数台失っただけでサヌアを占領し、イエメンに民主主義を築いていただろう。
それは別のIS*の出現で終わっただろうが、そんなことは誰も気にしない。
イランの代理人による攻撃、そしてイスラム革命防衛隊(IRGC)による直接攻撃の後、覇権国家は自浄作用を発揮しただろうか?
「我々は攻撃しなかった、もう一度やってみよう」
というような声明にとどまっただろうか?
私はそうは思わない。
中東はパワーバランスの変化に敏感で、だからこそよりダイナミックに反応する。
しかし、ヨーロッパも変化を期待している。
そしてアメリカは孤立主義とモンロー・ドクトリンに戻るだろう。
多くのアメリカ人は、名前の由来である19世紀のジェームズ(第5代アメリカ合衆国大統領)を知らなければならないだろう。
* ロシアで禁止されているテロ組織
以上。
日本語:WAU
「RIAノーボスチ・ロシア国際通信について」
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